眠狂四郎無頼控 第二話 円月殺法
劇場公開日:1957年4月2日
解説
週刊新潮連載中の柴田錬三郎原作の第二篇。将軍家御下賜のお小直衣雛の行方をめぐって正邪入り乱れての争いが展開する。脚色は「忘れじの午後8時13分」の小国英雄と「眠狂四郎無頼控」の日高繁明が協同で当り、同じく日高繁明が監督した。撮影は「嵐の中の男」の山田一夫。主な出演者は「慕情の河」の鶴田浩二、「この二人に幸あれ」の津島恵子、「大番」の河津清三郎、ほかに若山セツ子、小堀明男、小杉義男、河内桃子、中田康子、三井弘次、平田昭彦、上田吉二郎など。
1957年製作/85分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1957年4月2日
ストーリー
陰謀を企む林肥後守は、水野越前守へ御下賜のお小直衣雛御台覧を計画し、一対の雛が揃わねばお家断絶間違いなしと見て、越前守の為に替玉を作る渋江村の人形師杜園を斬った。彼の許に身を寄せていた眠狂四郎は杜園の娘千弥をつれて江戸へ。杜園亡き今となっては女雛男雛の首を揃え、彼の弟子左園に首をすげさせるほかはない。しかし男雛は美保代の許にあるが女雛は敵方美濃屋にあった。単身のりこんで狂四郎は、渋江村で会って以来彼を慕う美濃屋の娘お国の力で女雛を手に入れたが同じ頃、男雛は吹矢の名手いたちの源次の手で盗まれていた。やがて狂四郎は、彼を倒すべく肥後守が依頼した平山子竜の直弟子左馬右近と対決。漸くにして一味の重囲を脱したが傷つき美保代の手厚い看護を受けるが、対決の最中駈けつけた子竜が告げた言葉に思い悩む。母を犯して彼を生ませた男の名は、肥後守と共に大陰謀を企む邪宗、捨神教教祖、高麗寺玄流。その頃、千弥と左園が拐われ、二月二九日には必ず腹に蛇の刺青をほられた若い女の死体が上る事実に狂四郎は美保代を囮に罠をはった。そして彼女が連れ去られた屋敷へのりこむが、地下道の中で突然鉄柵が落下して閉じこめられてしまう。地下道の奥は違わず捨神教の本殿。玄流、肥後守、美濃屋が祭壇の前に長襦袢一枚の美保代、千弥を据えて腹に蛇の刺青をする祭礼が今や行われんとする瞬間、かねて動静を探らせていた吉五郎の手引で牢を脱した狂四郎が現れる。「一片の色欲にかられて貴様が犯した女が生んだ子こそこの狂四郎だ!」愕然となる玄流に無想正宗が迫った。その時、源次の吹矢が狂四郎めがけてとぶのをみて玄流は思わず彼をかばった。矢は玄流の首につき刺った。「父上ッ」始めて口にした狂四郎の円月殺法が狂った様に右近らを斬り倒して行く--そして再び放浪の旅に出る狂四郎だったが、慕わしげに見送る美保代と見交す眼差しにはいつになく優しさがこめられていた。