①ずっと観たかった映画でやっと観れた。で、ずっと思い込んでいた話とかなり違っていたのに少々驚いたが(勝手に思い込んでいた私が悪いのだが)、先の読めない展開でこれはこれで面白かった。
②如何にもジョン・ヒューストンの映画に相応しい題材。
冒頭から“映画だ”と思わせてくれるが、さすがに往年の演出の冴えはなくなって来ているようだ。
ただ、往年の得意分野だった「ハードボイルド映画」「フィルムノワール」のセルフパロディっぽいところは、やはりジョン・ヒューストン監督ならではのひねくれぶりか。
シリアス・シニカル・ユーモアが絶妙に融合している味わいは、長いキャリアを誇る百戦錬磨の職人監督ならでは出来ない芸当で、ポッと出の監督には無理だろう。
③腹に一物ある連中の虚々実々の駆け引き(というかキツネとタヌキの化かし合い)の話はいつでも面白い。
④ジャック・ニコルソンは、役には少し歳が行きすぎているように思うし、イタリア系にはとても見えないが、シリアスさとユーモラスさとが絶妙な塩梅で混ざりあっている演技はさすがに上手い。
⑤アンジェリカ・ヒューストンはアカデミー助演女優賞を獲るほどの演技ではないと思うが(それ以前に比べてぐんと上手くなっているのか確か)存在感は凄い。
その存在感と急に良い女優になったことが嬉しくてハリウッド映画人はアカデミー賞を送ったんでしょうね。