若人の凱歌
劇場公開日:1956年10月24日
解説
オリンピックを控えての今日、水泳に精魂を傾ける若い男女スポーツマンの温い友情を描く明朗篇。「花嫁会議」の梅田晴夫のオリジナル脚本から「アチャコ行状記 嫁取り試験」の青柳信雄が監督、「兄とその妹」の遠藤精一が撮影を担当する。主な出演者は「裸足の青春」の宝田明、「金語楼の天晴れ運転手物語」の柳家金語楼、清川虹子、「猫と庄造と二人のをんな」の環三千世、その他藤木悠、森啓子、坂本武、一竜斎貞鳳など。新人白石奈緒美(TVスター)が抜擢されて初出演する。
1956年製作/46分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1956年10月24日
ストーリー
オリンピック候補、島村明夫と田川奈津子の二選手を揃えた××大学プールでは、メルボルンの予選を兼ねた全日本水上選手権を目指し、連日猛練習。だがこの数日間、奈津子は元気がない。彼女は料亭“田川”を営む金太郎と清子の一人娘。父親がキャバレーの女給エミ子に首ったけなことと、それを気に病む清子が、早く養子を貰えと迫るのが悩みの種である。金太郎は遂に家を飛び出し友人のおでん屋主人源吉の家へ転げ込む。一方、清子も愛想づかしはしたものの、彼程腕の立つ板前が居ないでは店の経営が危い。早速、内証で大阪の叔父が紹介した養子兼板前、山本磯八を呼び寄せるが、彼はいささかWがかっている男。切羽詰った奈津子は仲好しの島村を恋人に仕立て逃れようとするが、驚いた清子も相手が取引先魚政の息子と聞き大喜び。結婚式の日取り迄心配しだす。奈津子は慌てるが胸の底には、彼への思慕が潜んでいた。大学プールでも、皆からお目出とうのあいさつ。斎田コーチ始め同僚達は相談の上奈津子の家の騒動を納め、いい記録を出して貰おうと意見一致。先ず島村と文子達が清子を訪れ、新派口調で攻め落しに成功。奈津子や斎田らも、金太郎を店が人手に渡りそうだと激励し帰宅を承諾させる。金の切れ目が縁の切れ目とエミ子は別れる。計画は総て大成功。磯八も板前として働くことになる。島村と奈津子も「学校を出るまで待とう」と、大学のプールサイドで固い指切りをかわした。