新婚第一課
劇場公開日:1956年7月20日
解説
平凡なサラリーマンの新婚生活をユーモラスにスケッチした土岐雄三の“新婚社員”から、「暗黒街」の若尾徳平と「不良少年(1956)」の西島大が共同脚色、「女房族は訴える」の筧正典が監督した。撮影担当は「妻の心」の玉井正夫。主なる出演者は「妻の心」の小林桂樹、「ならず者(1956)」の岡田茉莉子、「驟雨」の東郷晴子、「大暴れチャッチャ娘」の久慈あさみ、伊豆肇、「恐怖の逃亡」の中田康子、「極楽大一座 アチャラカ大当り」の柳家金語楼、三木のり平、「不良少年(1956)」の藤木悠。他に江原達怡、藤原釜足、森川信、沢村いき雄など。
1956年製作/86分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1956年7月20日
ストーリー
仁科保夫は、安井銀行丸の内支店に勤める優秀なサラリーマン。水島常務の令嬢瑞枝と見事結婚にゴールインした。お互いに干渉せず自由を尊重しようと固く約束して新婚生活に入った二人は甘い毎日を送っていたが、そのうち保夫は新設の出張所の係長に栄転した。ある日、会社の案内係で、保夫を可愛がっていた野島の誕生祝に招かれた仁科夫妻は、そこで野島夫妻の互いに不平を言わず、いたわり合う姿を見た。しかし保夫と瑞枝は、夫婦はもっと自由であるべきだという結婚前の約束を思い出して不満に思った。転勤後、初めて古巣の支店を訪ねた保夫は、川上に誘われバー“ルビー”に行ったが、そこで以前同じ係にいた信子と会った。信子は保夫に失恋して銀行をやめ、ここで働いているのだという。その夜遅く、ワイシャツに口紅をつけて帰った保夫に、瑞枝は何の反応も示さなかった。互いに干渉しないという初めの約束には違いないが、焼もちをやかないのは愛情がないからか、と保夫は寂しかった。ところが瑞枝は焼もちを焼かぬどころではない。翌日から親友の敬子の紹介で保険の外交員になった。共稼ぎは表向きのこと、実は危い淵を渡る外交員になって夫に復讐するためだった。瑞枝がロマンスグレーの男と一緒の処を見た保夫はたまらない。その夜、瑞枝を殴りつけたが、彼女に実家へ逃げられ、腹いせに信子と一緒にホテルへ泊ろうとした。しかし信子は、保夫の心中を察して何事もなく帰した。ところが今度は瑞枝が納まらず、どこかへ雲隠れしてしまった。そこへ乗出したのが野島さん。うまく二人を逢わせることに成功、誤解もとけて仁科若夫婦はお互いにいたわり合う必要を改めて覚った。