月の紘道館

劇場公開日:

解説

全日本柔道選手権の栄冠のかげに、恋と兄弟愛を描いた富田常雄の柔道小説の決画化。脚色は「新婚日記 恥しい夢」の池上金男。監督と撮影は「屋根裏の女たち」に次いで木村恵吾と秋野友宏があたった。主な出演者は「不良少年(1956)」の菅原謙二、「火花」の根上淳、「屋根裏の女たち」の川上康子、「吸血蛾」の小堀明男、「娘の修学旅行」の浜口喜博、その他清水元、見明凡太朗、市川春代、清水谷薫など。

1956年製作/74分/日本
劇場公開日:1956年7月5日

ストーリー

柔道五段の伊吹義夫は学生柔道のチャンピオンで、土地会社の青年社長をしている兄賢一の助力で、勉学と柔道に全力を集中している。義夫は日本選手権東京代表に選ばれた頃、兄と行った小料理屋花幸で、娘桂子と知り合った。だがお互に好意を感じ合う二人の間に、久原建設社長の息子で北九州代表に選ばれている柔道六段の伴作が現われた。伴作の俵返しの大業には義夫も舌を巻き、師匠の照木七段も、彼に注意を与えた。ある夜、花幸の二階で義夫は彼の技をせせら笑う伴作の声を耳にし、憤然として席を立ったが心配して後を追った桂子に止められた。だが桂子の母浜は、久原からの借金の関係上、伴作と桂子の内内の婚約をタテに、義夫との交際を断る。この頃、兄賢一が悪質なゆすりをしている現場を見た義夫は動揺し、稽古にも身を入れずに悩み暮した。一方、賢一も弟の為と思ってしたことが仇になり、足を洗おうと決心したが仲間の凄惨なりンチを受ける。だが、その場に駈けつけた義夫は一味を投げとばし、兄を病院にかつぎこんだ。うわごとに迄も弟の身を思う賢一の言葉に、義夫と桂子は深く胸を打たれた。しかし伴作はあく迄桂子をあきらめず、遂に全日本柔道選手権の日が来た。予想通り、決勝は宿敵同士の伴作と義夫の間に争われた。だが胸を押えて見守る桂子の前で、義夫は伴作の俵返しにも屈せず、痛烈な体落しで栄冠を得た。まだ繃帯の残る賢一の手に義夫は優勝楯を渡し、桂子ともども、しっかりとお互の手を握りしめた。

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