忠治祭り 剣難街道
劇場公開日:1956年5月24日
解説
“サンデー毎日”特集号に掲載された村上元三原作の映画化。本物とニセ物の忠治二人をめぐる人情味を織り込んだ諷刺時代活劇である。加田三七と加藤泰が共同脚色し、「悲恋 おかる勘平」のコンビ佐々木康が監督、藤井春美が撮影を担当した。主な出演者は「頑張れゴンさん」の大友柳太朗、進藤英太郎、「異国物語 ヒマラヤの魔王 (三部作)」の田代百合子、徳大寺伸、原健策、「三っ首塔」の浦里はるみなど。
1956年製作/74分/日本
劇場公開日:1956年5月24日
ストーリー
天保十八年、国定忠治の関所破りが噂を呼んでいた頃。忠治に瓜二つの顔をした遊び人庄助は相棒の甚太や三平と、忠治に人違いされ捕ってしまった。人相改めで間違いと判り釈放されても、行く先々で勘違いされては肝を冷し、遂にとある山畠で行き倒れとなった時、呑んだくれ百姓の娘お光に救われ、その村へ伴われた。折も折、村人一同は江戸から来た旗本用人都賀源五郎の達しで、来年度年貢米の前借を申し込まれて六兵衛たち五人組のなだめも聞かず不平満々。ここでも居酒屋の亭主勘蔵が庄助を忠治と間違え、三人は庄屋宇右衛門の屋敷で大尽扱いを受けた。居心地の良さに気をよくした三人は庄助の発案で当分滞留することになり、早々に立ち去ってもらおうと庄屋が持って来た草鞋銭も受け取らず、勘蔵の女房おこんらの酌で連日連夜、大騒ぎをしていた。だが、やがてお光と親しくなり土を耕すことに生き甲斐を感じだした庄助は、お光に気のある庄屋の伜宇太郎をヤキモキさせながらも、忠治という名によりかかって生きている我が身を反省するようになった。間もなく善良な村人を騙して滞留する気の失せた庄助の強制で、三人は村を後にしたが、突然、杢目の虎を首領とする盗賊団が村内になだれ込んで乱暴の限りをつくした。勘蔵は殺され、おこんやお光もアワヤという時、お光の山畠に差しかかっていた庄助らは六兵衛たちの注進で、今こそ忠治の名のみせ処と村にとって返し、村人の協力で首尾よく盗賊団を叩き伏せた。やがて今は晴れ晴れとお光や宇太郎を始め村人一同に別れを告げた庄助は甚太や弥吉と、又何処とも知れぬ旅に出た。だが山道で三人は本物の国定忠治に出逢い、尻に帆かけて逃げ出した。