しゃぼん玉親爺
劇場公開日:1956年3月18日
解説
「母なき子」の共同脚色者の一人、高橋二三が脚本を書き、「浪曲天狗道場」の仲木繁夫が監督、新人村井博が撮影を担当した。主なる出演者は「浅草の灯」の潮万太郎、「弾痕街」の八潮悠子、「虹いくたび」の川崎敬三、「恋と金」の清川玉枝など。
1956年製作/38分/日本
劇場公開日:1956年3月18日
ストーリー
戦争末期、南方のアフジャム王国のある都落で、松田少尉と部下の鶴亀二等兵は敗走中を一少女に救われた。彼女は竹井京子という日本人で、両親とともに戦前からこの王国に来ていたのだが、戦争で孤児となり、原住民の姿をしているのだった。戦争が終った。内地へ帰れば鶴亀石ケンの社長である鶴亀は、ある日、入社試験の応募者の中に松田を見出し、早速入社させた。鶴亀は女房の虎子にすすめられてボディビル練習所に行き、今はそこの事務員をしている京子に会った。京子が戦争中の松田を今でも慕っているのを鶴亀は知ったが、京子に浮気心を起した彼は二人を会わせないように苦心するのだった。一方、鶴亀の会社は苦境に陥り、その打開策としてアフジャム王国の椰子油入手の交渉をすることにした。折しもアフジャム王国の殿下が、戦争中の恩人を探しに日本にやって来た。鶴亀のためを思った京子は現地人に扮装して殿下に会い、京子が気に入った殿下は、彼女が自分の第八夫人となるのを条件に椰子油の採取権を許可するといい出した。鶴亀は慌てたが、京子は松田に会えないのなら第八夫人にもなるというのだった。ちょうどそこへ鶴亀の浮気を探知した虎子が松田をしたがえて乗り込んで来た。松田こそ殿下の探す恩人であった。万事めでたし、めでたしとなり、殿下は松田と京子の結婚のお祝いに椰子油の権利を譲るといった。やがて二人は結婚し、双生児が生れた。赤ん坊の顔は鶴亀社長と虎子に瓜二つであった。