まぼろし怪盗団(三部作)
劇場公開日:1955年11月8日
解説
国際怪盗団覆滅に協力する青年探偵と少年たちの冒険物語。「力闘空手打ち・三部作」のコンビ旗一兵と森田新の共同脚本により「忍術三四郎」の小沢茂弘が監督、小西昌三が撮影を担当した。主なる出演者は「力闘空手打ち・三部作」の波島進、藤里まゆみ、「忍術三四郎」の三笠博子、山手弘、「暴力街(1955)」の南原伸二、中原ひとみなど。
1955年製作/日本
劇場公開日:1955年11月8日
ストーリー
第一編まぼろし怪盗団・東京に「魔王の密使」と称する怪盗が現われ宝石を盗んで歩くので、宝石を持っている連中は夜も眠れない。私立探偵佐山英夫は怪盗を捕えようと苦心していた。ある時、彼は婚約者の久美子と知人の神岡家の次女百合子の誕生祝いに招かれた。その席上、百合子が誘拐された。誘拐したのは勿論「密使」で、引きかえに百合子の父の持つダイヤを要求して来た。偽物で「密使」をだまそうと思った神岡氏もかえって人質にとられてしまった。だが英夫の機転で彼等は救われダイヤも手元に戻った。「密使」は諦めず、またもや神岡家を襲うとダイヤを奪って逃走した。英夫は後を追いかけたが「密使」の手中に落ちた。第二篇魔王の密使・英夫は危うく「密使」の手から逃れた。「密使」の次に狙ったダイヤはバレリーナの花村明美の持っている「孔雀の瞳」という名のダイヤであった。これもまた易々と盗まれてしまい、佐山達は口惜しがったが後の祭であった。ある日佐山の家を訪れたある大会社の社長足立の口からダイヤの秘密が明かにされた。ヨーロッパのブルガニンという王国が転覆した際、王室に古くから伝えられていた王冠のダイヤが消え失せた。それが国際盗賊団の手に渡り日本に持ち込まれて以来散り散りになっていたのである。足立も欲にかられてダイヤを集めるつもりだったが、「密使」の脅迫に恐れをなして英夫のところに相談に来たのであった。だが、足立も間もなく「密使」に襲われ手持のダイヤを奪われてしまった。完結篇悪魔の王冠・「密使」が次に狙ったのは美術商「七宝堂」の女主人康子の持っているダイヤであった。一方、英夫は「密使」の一団が乗っているらしい怪汽船を発見し、単身乗り込んで行ったが、銃弾を浴びて海中に消え去った。ついで「密使」は折しも催された宝石展覧会に出品された康子のダイヤを盗んだが、それを久美子の弟一郎に見つけられたと知るや一郎を捕えて自動車で逃げ出した。「密使」の隠れ家で銃殺されようとした一郎は、忽然と現われた英夫に助けられた。やがて英夫と「密使」の一味との拳銃戦が始まった。折しも「密使」逮捕の為に警官隊がかけつけ、さしもの国際盗賊団も壊滅したのであった。