東京摩天街

劇場公開日:

解説

麻薬団の女首領を追撃する一海員の活躍を描く。面白倶楽部所載の島田一男の小説を「白浪若衆 江戸怪盗伝」の浅野辰雄が脚色、「中野源治の冒険 三部作」の津田不二夫が監督、「忍術三四郎」の佐藤三郎が撮影を担当した。主なる出演者は「魚河岸の石松 マンボ石松踊り」の堀雄二、星美智子「だんまり又平 飛龍無双」の三浦光子、「力闘空手打ち・三部作」の藤里まゆみ、藤井貢、「忍術三四郎」の宇佐美諄など。

1955年製作/86分/日本
劇場公開日:1955年10月25日

ストーリー

四日間の上陸休暇で、東京へ出た大洋航路の船員沢田竜男は、電車内で若い娘が船員風の男から、何か掏りとる現場を目撃した。娘を尾行して盗品をしらべると、それは船員手帳に挟んだ荷物領り証だった。不審を抱いた竜男は東京駅へ出かけて謎の鞄を受け取るが、そのとき横合から船員風の男が鞄を奪うや、脱兎の如く逃走した。それを追った竜男がビル街で組みつくと、男はあっけなく舗道に倒れた。背中に一本のナイフが突き刺さっていた。翌日の新聞で、竜男は自分が殺人犯人にされていることを知り、四日間のうちに潔白を証明しなければと、事件の探査にかかった。殺された男川瀬の死体を収容した病院の女医奈美江、川瀬の情婦でキャバレーの女給麻耶からは、何の手掛りも得られなかったが、領り証を掏った晴美に会って、竜男は初めてこの事件が大掛りな密輸団に関係があると知った。晴美の姉由美は税関で働いていたが、恋人の川瀬に麻耶という情婦のあることが判った。川瀬は麻薬密輸に一役買っている男だった。川瀬の不実を恨んで、由美は警察に密告しようとするが、その直前一味の手で殺された。復讐を誓った晴美が、川瀬のポケットから荷物領り証を掏ったとき、竜男に発見されたのだ。かくて、弁護士の斎藤を主魁とする密輸団の葉山、サム、奈美江らは、竜男と晴美を狙った。あるときは竜男の胸もとに白刃が飛び、あるときは晴美が誘拐され、いくたびか危機が迫るが、遂に警官隊の出動により、密輸団は潰滅した。そして川瀬は奈美江が空気銃にナイフを仕込んで射殺したことも判り、今は青天白日の身となって船に帰る竜男に「いつまでも待っています」とささやく晴美であった。

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