地獄谷の花嫁
劇場公開日:1955年1月22日
解説
「水戸黄門漫遊記 闘犬崎の逆襲」の尾形十三雄の脚本を、「赤穂義士(1954)」の荒井良平が監督する。撮影は「千姫(1954)」の杉山公平、音楽は「忍術児雷也 逆襲大蛇丸」の高橋半の担当。出演者は「美男剣法」の黒川弥太郎、「覆面髑髏隊」の長谷川裕見子、江島みどり、橘公子、若杉曜子などである。
1955年製作/83分/日本
劇場公開日:1955年1月22日
ストーリー
浜松藩次席家老坂崎刑部は、妹で先君の愛妾勝子の生んだ庶子吉丸を立て、藩の実権を掌中に収める野望を以て、先ず世子綾姫を狙撃させ、姫の倒れたのを見て成功を喜んだ。が、姫は微傷に止り、城代家老梶原甚左衛門と供頭溝部勝之進の慎重な計らいで、極秘裡に別邸へかくまわれ、表面は不慮の死を遂げた事として公表された。刑部は綾姫亡き後、吉丸君が世継となることを主張したが、甚左衛門は既に将軍の世話で決定した松平周防守次男新之助の養子縁組は変更できぬと吉丸説を一蹴し、勝之進をひそかに江戸へ遣わし、新之助の出発を幕府上層部へ要請した。尚、道中に秘密の警固役として名捕物師立花左門に白羽の矢が立った。密使の役目を果した勝之進は、江戸屋敷に腰元勤めをする娘志乃に別れを告げたが、その帰途、刑部の腹心犬山等三人の武士に斬り伏せられた。晴れた東海道を新之助の婿入行列が西へ進む。狂女を装う志乃、変装した刑部腹心の三人組、町人姿の左門と腰巾着の植亀、そして謎の鳥追女お駒が、思い思いの目的でこの行列を追って行く。左門の許へ誰からか一通の書状が届けられたが、中味は刑部が犬山等に与えた陰謀成就の暁に恩賞を約した書付けだった。左門は誰から送られたものか、じっと考えた。刑部の甥榊原仙十郎は十名の剣士を引きつれ、犬山等と合流して一挙に新之助を葬らんと計った。色仕掛けで熊谷を酔い潰させたお駒は、早くも彼等の恐ろしい企てを知った。左門の部屋へ艶かしい女文字で新之助の危急を知らせる手紙が投げこまれて間もなく、新之助の寝所へ凄愴な鬼女が忍びこんで行った。同じ頃、新之助を狙う覆面の一隊も旅館へ雪崩れ込んで来た。だか、やがて左門の活躍で悪人等の計画は失敗し、正義の上に勝利が輝いた。