青春怪談(1955 市川崑)のレビュー・感想・評価
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市川監督夫婦を反映する様な、北原三枝と三橋達也が今見ても尚斬新な夫婦像を演じる
市川崑 監督による1955年製作(114分)の日本映画、原題:The Hope of Living、配給:日活。
原作である獅子文六「青春怪談」は未読。
市川崑監督の特徴なのか、軽やかなタッチで世代の異なる2組のカップルの有り様を描いていて、爽やかな印象を覚えた。若い方が北原三枝と三橋達也で、お互いに仕事熱心で全くベタベタせず、今見ても尚斬新な夫婦像。そんなカップル無いだろうとも思えるが、(初めて見る)北原三枝のボーイッシュでさっぱりとした雰囲気により、しっかりとリアリティが付与されていた。
彼らの父母である老年カップルが山村聰と轟夕起子。轟が少女の様な純情な恋する老婦人を、コミカルに演じていて、楽しい気分にさせられた。対照的なカップル、特に各々の仕事を尊重し大切にするウエットでない関係性の新しい夫婦像を提示している。和田夏十(市川監督の奥様)による脚本が、ご自身の理想像を被せたこともあるのか、とても秀逸に思えた。
主人公に惚れて北原に嫉妬する銀座ママ役で山根寿子、主人公が好きな芸者役で瑳峨三智子(山田五十鈴の娘)、北原三枝に憧れる娘役で芦川いづみが新人として出演。主人公の投資先社長として宇野重吉、いつも聞き耳立ててる山村聰家の家政婦として北林谷栄も出演。
監督市川崑、脚本和田夏十、原作獅子文六「青春怪談」、製作山本武 、高木雅行、撮影峰重義、美術中村公彦、音楽黛敏郎、録音神谷正和、照明藤林甲。
北原三枝奥村千春、山村聰父鉄也、三橋達也宇都宮慎一、轟夕起子(洲崎パラダイス赤信号等)母蝶子、山根寿子船越トミ、瑳峨三智子筆駒、芦川いづみ藤谷新子、三戸部スエ芦野良子、千田是也奥村敬也、滝沢修阿久沢、宇野重吉小鎌田、北林谷栄奥村家の婆や、玉松ワカナ品川ミエ子、宮原徳平バーテン、高品格刑事、小田切みき記念館受付、三島謙パチンコ屋。
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