不滅の熱球のレビュー・感想・評価
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実際の巨人中日戦からはじまるオープニング。
昭和11年。ジャイアンツとタイガース。ノーヒット・ノーランの記録がかかる最終回。背番号14の沢村栄治(池部)が残る3人を相手にする・・・あと一人。藤本監督(笠智衆)が「スキヤキを食おう」と選手をリラックスさせる。大記録を打ち立てても「次の日も出てくれ」と言われるほど労働環境が悪い時代だった。米井優子が来てくれれば必ず勝つ沢村。なんだか微笑ましい。
昭和12年。入営。最後の試合はゆうこさんが来てくれても負けてしまう。そして右腕の負傷。千周生命を断たれたかとも思ったが、昭和14年に帰還して復帰。だけど闘志が失せて、観客にやじられることも多かった。結婚して優子も妊娠。また野球の勘を取り戻し、幸せいっぱいになるはずだった。しかし、二度めの徴兵・・・
史実とはちょっと違うようだけど、戦争により野球という娯楽が失せてしまった悲しい内容。
"巨人軍よ紳士たれ"
伝説の大投手沢村榮治物語。
沢村榮治に池部良。後に結婚する女性に司葉子。友人で女房(捕手)役に千秋実。当時の巨人軍監督藤本には笠智衆とゆう配役。
流石に現役当時の沢村榮治は知らないが、残された連続写真の投球フォームを知る範囲に於いて、主演池部良の投球フォームはかなり沢村榮治のフォームに近い。
この辺りは流石。池部良のダンディズムと相まって、かなりモダンな沢村像になっている。
また、野球ファン。特に巨人軍のファンならば、当時の有名選手である、吉原・川上・千葉・平山・中尾等本人では無いが登場するし。宿敵阪神側では藤村・影浦等の名前がポンポンと飛び交うので、眼が離せない。
戦地に赴く沢村榮治を、宿敵阪神ファンが詰め掛けた甲子園球場で送り出す場面は感動的だった。
戦地で負傷し帰還後に結果が伴わず、ファンから罵声を浴びる沢村。
ロッカールームに於けるいざこざを、親友千秋実が仲立ちする場面。笠智衆がみんなを前にして語りかける場面こそ、“巨人軍は紳士たれ”を始めとする。球界の名士を自認する巨人軍の歴史を垣間見る様で、この場面もまた感動的でした。
そして立ち直り、晴れて結ばれた2人。子宝に恵まれる場面も感動的だったのだが…。
最後のラストシーンも、《伝説の大投手》に相応しい幕切れ。何度となく目頭が熱くなった。
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