娘ごころは恥づかしうれし
劇場公開日:1954年8月3日
解説
「若者よ! 恋をしろ」の永来重明の脚本を「一等マダムと三等旦那」の小森白が監督する明朗喜劇。撮影は今村秀夫が担当する。出演者は「かくて夢あり」の小林桂樹、「重盛君上京す」の高島忠夫と新倉美子「潜水艦ろ号 未だ浮上せず」の鮎川浩、「乾杯!女学生」の久保菜穂子、井波静子、藤原釜足、清川玉枝、キドシンこと木戸新太郎などで、ビクターの青木はるみが主題歌を歌い、スクリーン・デビュする。
1954年製作/72分/日本
劇場公開日:1954年8月3日
ストーリー
ジャズのうまい好男児三枝、柔道三段の中沢、洗濯が得意の大木の三人は、信州の山奥の温泉場の旅館へアルバイトにいった。旅館「ふじや」の主人栄造は好人物で女房おきのの尻に敷かれている。三人は印半纒を着、旗を持って「ふじや」の一人娘鮎子に応援され乍ら、バスの発着所へ客引きに行き新婚夫婦らしい二人と、マダム風の女玲子の二組をキャッチした。夕食時にはエプロンを着、馴れない手つきで皿や鉢を拭いたり、膳を並べたり、運んだり、転手古舞の忙しさである。失敗をくり返し、新婚夫婦に当てられてやっと自分達の部屋に落着くと、女中のお花が親切にしてくれる。おきのが親類のお目出度があって呼ばれていった日、栄造を探していた三枝は、玲子の部屋にいる栄造を見つけた。三人に酒を進めて栄造は三等亭主は廃業するとは云うものの、矢張り口止めするのだった。盆踊りの夜、三枝の側から離れない鮎子をみて、中沢と大木は、姿を消して二人に楽しく踊らせてやった。見晴台に休みに行くと鮎子は、三枝はどんなタイプの人が好きか聞くが、淋しそうだった。踊りから帰って、酒を御馳走になり、飲みすぎた三枝が一人で横になっていると、鮎子はやさしく介抱してやった。母病気の電報で、一人先に東京へ戻る三枝を栄造、中沢、大木は送りに行ったが鮎子は一人で見晴台にのぼり、三枝の乗ったバスを何時迄も見送っていた。