懐しのメロディー

劇場公開日:

解説

津田不二夫の監督昇進第一回作品で、サトウ・ハチローの原作を「里見八犬伝(1954)」の村松道平か結束信二と共同で脚色し、「二挺拳銃の龍」の永塚一栄が撮影した。音楽は特に古賀政男が担当している。出演者は「二挺拳銃の龍」の船山汎、「弥次喜多」の西条鮎子、日野明子、杉狂児、「母恋人形」の星美智子、「噂の女」の進藤英太郎、「三つの愛」の伊藤雄之助など。

1954年製作/日本
劇場公開日:1954年7月27日

ストーリー

第一部・二人は若い--良平とかず子は人も羨む恋仲だが地方の市長である良平の父重平は古武士の如き頑固一徹の老人で、まるで恋愛の自由を認めない。会社の池田課長や同僚に励まされた彼は、父を説きふせるため帰郷したが、たが、やっと帰りの汽車賃を貰っただけで追払われた。然し心配した父は突如上京する。かず子さんが丁寧に彼をもてなしたので、少しは重平の気持もとけて来た。がその時かず子は十万円懸賞の水着美人コンクールに出場した。あられもない水着姿に再び重平は怒り出したが、その隙に時計をすられる。壇上からこれを見つけたかず子は一等当選も何のその、スクーターでスリを追跡して捕え、重平の頑固頭もついに二人の結婚を許した。 第二部・あゝそれなのに--旭商会の河合は三度の飯より麻雀が好きだ。新婚の妻雪子をだまし、会社の仕事が忙しいと連日連夜の麻雀合戦である。日頃の不成績で彼は外交に廻されてしまう。これを知った雪子は腹を立て、家の中で冷い戦争がつづく。ところが雪子の拾った汚いハンド・バッグに五千万円の札束がはいっていた。二人は一時夫婦喧嘩を中止して警察に届けた。青くなっていた持主の永山は、たった百円しか謝礼しない。おかげで夫婦喧嘩は忽ち再開された。ところがふとはいったキャバレーで、彼はブローカーの闇山が、いんちき商品で西郷社長から八百万円の金をたかろうとしているのを耳にし、危く現場にかけつけて金を取り戻した。この功で彼は一躍係長となり、雪子の気嫌も無事に治った。 第三部・うちの女房にゃ髭がある--課長の池田は社員に人望がある。が妻のよし江は彼をお人好しのグズだと罵ってばかりいる。西郷社長は夫人と二号さんの鞘あてまで池田に任すという信頼ぶりである。二号の松原昭子もいつのまにか池田さんの実直に心をひかれるが、よし江は彼に女ができるものかと吹き出す始末だ。或日彼は川に溺れた子供を助けようとして社の金十万円をなくした。弁償に妻のへソクリを借りようとしたがよし江は承知しない。彼は初めて妻を殴って家を飛出した。そこへ助けられた子供の母が何と百万円のお礼を持って来た。池田の家出を聞いて社長以下大勢が彼の家に集っている時、池田はしょんぼり帰って来た。よし江は彼の胸にすがりついて泣きだした。

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