嫁とよばれてまだ三月
劇場公開日:1954年8月11日
解説
天野信の監督昇進第一回作品で、脚本も新人野上徹夫と松村正温の共同執筆になり、撮影は「情炎の波止場」以来久しぶりの今井ひろしである。「弥次喜多 金比羅道中」の渡辺篤、「怪猫岡崎騒動」の浪花千栄子、「噂の女」の峰幸子、「知らずの弥太郎」の上久保武夫等が出演する。
1954年製作/51分/日本
劇場公開日:1954年8月11日
ストーリー
大阪にある五軒のスタンド式飲食店が立退かねばならなくなった。とんかつ屋の修造は自宅を改造して、つた江、兼吉、長平あけみの五人と共同で新しい店を開いたが、つた江は住む家がなくなったので、その身のふり方をつけるには再婚するのが早道だと修造は言った。その夜、修造が彼女に結婚を申込んで来た。実は娘の絹子が今度結婚するので、相手の正夫君と二人につた江を首実験させ、O・Kを得て申込んだのである。ここに新旧二組の夫婦が同時に生れ、新しい店も繁昌して三カ月をすぎたころ、修造は絹子をつれ、二晩泊りで田舎の実家へ法事に出かけた。その夜、正夫は久しぶりで酔っぱらった。バアの女給ラン子が送って来た。閉口した彼は、頓間な泥棒新吉がはいっているのを捕えた。ラン子は驚いて帰ったので、正夫は喜んで泥棒を許してやる。日を改めてお礼に来た新吉は、ラン子を絹子と思って話したため、夫が女を引入れたと信じた絹子は怒って実家へ帰る。修造とつた江は故意に正夫の悪口を言い、わざと仲のいい所を見せつけた。この戦術は功を奏し、絹子は急いで正夫の許に帰る。所が今度は修造が若い女と温泉マークに泊った事が判り、つた江が家出してしまう。ところがこの女は、以前に修造をすてた妻が二度目の夫との間に生んだ子で、絹子の異父妹と判り、万事めでたく治った。