君ゆえに

劇場公開日:

解説

富田常雄の原作『若草』より「思春の泉」の館岡謙之助が脚色し、「忍術罷り通る」の野村浩将が監督している。撮影は「若さま侍捕物帳 恐怖の折り鶴」の平野好美、音楽は「伊豆の佐太郎」の上原げんと。出演者は「鼠小僧色ざんげ 月夜桜」の中山昭二、「霧の第三桟橋」の安西郷子、舟橋元、「娘十六ジャズ祭」の新倉美子、「山椒大夫」の菅井一郎などのほか、SKD出身の美雪さゆりが美雪節子と改名し、第一回出演する。

1954年製作/89分/日本
劇場公開日:1954年3月3日

ストーリー

宿敵城北との決戦を控えて猛練習に励む南明大学ラグビー部の主将笠弁与志郎は、ある夜同じ部員の曾根恭一の妹ぎん子が痴漢に襲われているのを救って以来急速にぎん子と近づいた。幼時に両親を失った与志郎は郷里の織物業者大垣の世話を受けていた。大垣の足の悪い娘絹子は与四郎に慕情を寄せており、大垣夫妻も行末は与四郎を娘の婿にと考えているようだった。城北との決戦は南明の勝利に終ったが、与志郎は試合途中で負傷した。急いで上京して看護に当った絹子は、与志郎にぎん子という恋人があるのを知り、渡良瀬川の上流で自殺を図った。幸い一命はとりとめたが、以後病床につく身となった。卒業式の夜与志郎は突然ぎん子から誘いを受けて熱海で忘れ難い一夜を過した。父の経営する牧場を救う為、ぎん子は富豪の矢沢京介に結婚を承諾したのだ。絹子の危篤に駈けつけてこの薄幸の娘の臨終に最後の幸せをもたらし、長年の心苦しさをはらす事が出来た与志郎も、ぎん子の結婚の苦痛には耐えかねて、九州に就職する決心をした。しかし矢沢には時子という情婦があった。結婚式の当日、時子の来場でごたごたした会場から逃げ出したぎん子は、明るい胸を弾ませて与四郎が旅立たんとしている東京駅へ自動車を走らせた。

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