お役者変化
劇場公開日:1954年1月9日
解説
「山を守る兄弟」の小倉浩一郎が製作する。“講談娯楽部”所載の村上元三の原作『歌舞伎浪人』より加田三七が脚色に当り、「花の生涯」の大曾根辰夫が監督した。撮影、音楽の担当は共に「花の生涯」の石本秀雄、鈴木静一である。出演者は「遊侠夫婦笠」の高由浩吉、「朝霧(1953)」の宮城千賀子、「青春三羽烏」の紙京子、「花の生涯」の大木実、「勢揃い 大江戸六人衆」の北上弥太朗などである。
1954年製作/99分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1954年1月9日
ストーリー
元禄の頃。奈良随一の剣客と嘔われた国学者梓弦之助は、恋仲の乳兄妹菊乃を手篭めにせんとした奉行黒羽根弥太夫に刃向った為、弟七三郎を殺され、母とも別れて役人の追跡を受ける身となった。弥太夫は京へ出た菊乃の父吉信の出世欲を利用し、御用絵師に取立てる条件で娘を妻にする事を約束させ江戸へ向った。弥太夫を追った弦之助も亦水木辰弥を座長とする芝居小屋へ入り込み侠気に縋って江戸の猿若座へ初下りする一座と共に江戸へ向う。旗本黒羽根組の頭に戻った弥太夫は、老中柳沢出羽守の後押があるのをよいことに一座の俳優を斬ったり、また吉信が娘菊乃を将軍の腰元に差出さんとした為吉信をも斬り殺すという乱暴を働いていた。孤児になった菊乃は水木一座に引取られた。その頃、黒羽根組と対峙するよしや組の頭領三浦小次郎は、弦之助の腕と度胸に惚れその友人となった。弦之助は狂言作者として舞台から柳沢・黒羽根を諷し故意に柳沢の怒りを買い、弥太夫との一騎打ちをむしろ覚悟していた。そして遂に或日「明日猿若座の芝居を叩きつぶす」という情報が入った。翌日、よしや組の助けをも得て、黒羽根組との一騎打に宿敵弥太夫を見事斬り伏せ、然も町奉行能勢出雲守の計いで弦之助にはお咎めもないことになり、めぐり会った母や菊乃と共に奈良へ旅立つのであった。