幸福さん

劇場公開日:

解説

毎日新聞夕刊に連載された源氏鶏太の原作を「続思春期」の井手俊郎が脚色し、「愛情について」の千葉泰樹が監督している。撮影は「青色革命」の玉井正夫、音楽は「青春銭形平次」の黛敏郎。出演者は「白魚」の三津田健、小泉博、「愛の砂丘」の田村秋子、「都会の横顔」の有馬稲子、「青春銭形平次」の杉葉子、伊豆肇、木匠マユリなど。

1953年製作/93分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年9月1日

ストーリー

丹丸さんは孫の正美君と二人きりでわびしい毎日を送っている。正美君のお母さん、丹丸さんの娘美加子さんは、終戦直後或男に騙されて大阪へ行き、それを思い出す度に胸が掻きむしられるが、謹厳一徹な丹丸さんは別に不平もこぼさず、僅かに釣堀に行っては慰めている。釣堀で知り合った花子さんはハイカラ婆さんで、息子卓夫君の抗議にも拘わらず嫁の康子さんの援助で、丹丸さんに対してなかなか積極的である。丹丸さんの離れには明朗君とみさきさんの兄妹が住んでいる。みさきさんはオフィスガールで取引先の青年加東君と恋愛中だが、加東君のお母さんがわからず屋なのと、加東君の煮えきらぬ態度とで難航である。花子さんは交渉に出掛けるが遂に決裂する。みさきさんは深い悲しみを味わうが、明朗君、丹丸さん、花子さんに慰められ、しかも明朗君の恋人で一緒に化粧品の宣伝に歩いているモエ子さんに、お化粧して貰って見違える程綺麗になったみさきさんは、間もなく元気を取り戻す。折も折、康子さんの弟で九州の山林管理をしている次郎君が上京してき、みさきさんが東京見物の案内を務める。今やみさきさんには縁談が殺到しているが、みさきさんはこの純朴な青年の真面目な求婚に惹かれるものがある。みんなも大賛成。自分の娘のように思っていたみさきさんがどうやら片附いて、丹丸さんの心には又もや美加子さんの面影がちらつくが、釣堀が相変らず慰めてくれる。勿論傍には正美君と花子さんが坐っている。

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