花嫁の性典
劇場公開日:1953年7月14日
解説
「あぶない年頃」の浅野辰雄と新人若井基成の共同脚本により「トコ春じゃもの」の仲木繁夫が監督した。撮影は「母のない子と子のない母と」の井上莞。「憲兵」の片山明彦、「刺青殺人事件」の左幸子、「アナタハン」の近藤宏、沢村紀三郎「恐妻キュット節」の宗方規子などが出演する。
1953年製作/47分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1953年7月14日
ストーリー
牧江は父の死後、母ひとりの手で育てられた。彼女もやはり戦後の子、女学校時代には一通り性関係の本ものぞき、何もかものみこんでいるつもりであった。卒業後、母の希望でやや早めながら見合いをし、そして結婚した。夫健作は平生こころに描いていた“理想の男性”とはまるきり異った、しかし気立てのいい青年である。いい人だ、ということは彼女にもわかる。だからこそ結婚したのだが、式も終り、箱根にでかけたその第一夜--彼女は恐怖におびえた。この恐怖の前には女学校時代の性知識など何物でもなかった。ベッドからはね起きた彼女は室外へ、そして庭園へとよろめき走った。結局、迎えにきた夫につれられて室に戻ったが、嫌悪感にその夜はねむれない。彼女はじぶんが夫を愛していないのだと考え、ために新婚旅行も灰色となった。芦ノ湖上に出た際、ついに欝積したきもちが爆発し、むりやり舟を湖岸につけさせて彼女は一人森林中にかけこんだ。--その林中をさまよううち、彼女は蛇取りの男に追われ、暴行を受けようとする。かけつけた夫は、件の男と格闘をはじめる。男は強く、圧倒されてゆく夫の姿をみているうらに牧江は失神した。が、夫の必死の一撃で相手は倒れ、彼女ははじめて夫へのはげしい愛情をおぼえた。