七番街襲撃
劇場公開日:1953年3月25日
解説
企画は「人生劇場 第二部」のマキノ光雄と「クイズ狂時代」の三上訓利、西条照太郎の原案によって金城三平が脚本を書いている。監督は「母子鳩」の伊賀山正徳、撮影は佐藤三郎が担当している。出演者の主なものは、「決闘五分前」の宇佐美諄、「絵本猿飛佐助」の徳大寺伸、「愛の砂丘」の島崎雪子、「花咲く風」の龍崎一郎、「朝焼け富士 (前篇)」「朝焼け富士 (後篇)」の小杉勇など。
1953年製作/90分/日本
配給:東映
劇場公開日:1953年3月25日
ストーリー
重なる軍用列車襲撃に、国警本部は悪の巣窟とにらんだ中華料理店「香蘭亭」に踏み込んだが、店主殿山は少しもあわてる様子はなく、捕えられたのはいつもの如くチンピラばかりであった。浅原誠は、国警本部の潜入特捜員としてギャング団の一員になっていたが、このさわぎをのがれ、リエという妖麗な女の高級車で横浜のマドラカンパニイと称する彼等の巣窟へ伴われた。そこには麻薬中毒者になり果てた幼馴染の大谷信夫を見出した。大谷にはけがれを知らぬ妹しのぶがあり、浅原は彼女に心をひかれた。度重る国警の手入れに仲間の疑惑の眼が浅原にむけられるが、ナイト・クラブでの密談に加わった彼が巡羅中の警官に射たれたことから、疑惑から解放されたばかりか、七番街の東洋美術館という彼等の別のアジトでリエの介抱を受けた。リエは浅原のシガレット・ケースにあった国警第五特索班の電話番号から彼の身分を察するが、彼を密告することの出来ない気持になっていた。倉庫急襲で麻薬の切れた大谷がおくれをとったため、疑惑は大谷に向けられ大谷は国警の白井課長射殺の命を受けた。リエの一言で事を知った浅原が駆けつけたときには、白井課長も大谷も殺されていて、その傍に美術館主倉本が立っていた。倉本こそギャングの首領と知った浅原が国警本部に駆け込んだとき、亡き白井課長のほかに浅原の身分を知る堀田刑事は不在だった。一刻を争う場合なので、浅原は単身美術館に乗り込み倉本と対峙した。リエは浅原をかばおうとして倉本に射たれ、浅原の身辺にも多くの人影が迫って来た時堀田刑事を先頭に警官隊がなだれ込んで、逃げる倉本もその軽機隊の一斉猛射にたおされた。--数日の後浅原がしのぶと共に白い花の咲く丘に大谷の墓をもうでる姿が見られた。