鞍馬天狗 青銅鬼
劇場公開日:1953年12月29日
解説
綜芸プロと新東宝の提携作品で、東映に於ける「鞍馬天狗 一騎討ち」と同じく竹中美弘の製作の鞍馬天狗もの。大佛次郎の原作から「四十八人目の男」の高橋博が脚色し、「風雲七化ケ峠」の並木鏡太郎が監督に当り、「若き日のあやまち」の平野好美が撮影を受持っている。出演者の主なものは、「鞍馬天狗 一騎討ち」の嵐寛寿郎と宮城千賀子、「喧嘩笠(1953)」の大河内傳次郎と原健作、「芸者ワルツ」の相馬千恵子と高田稔などで、杉作には高島稔が扮している。
1953年製作/72分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1953年12月29日
ストーリー
倒幕派の黒幕白河資成卿を紀州に幽閉しようと謀る新選組の暗躍をよそに、卿を中心に西郷吉之助、桂小五郎、鞍馬天狗などが会合して薩長の合流を画策していた。ある夜目明し長次の案内で天狗の隠れ家が襲われて、杉作と吉兵衛が沖田隊の手でつれ去られるが、天狗により救出された。このとき近藤勇は、鞍馬天狗へ大徳寺での果し状を送った。薩長の合同が遂に長州藩の決意によってなり、長州より続々志士の上洛が伝えられた矢先、卿は幕府方の高刀主膳によって誘拐され長持によって紀州へ運ばれて行った。杉作と吉兵衛の報告で、大徳寺の対決のなかばでそれを知った天狗は、近藤勇に再会を誓って隠れ家へ帰ったが、そこで天狗吉兵衛、杉作の三名は危く仕掛られた爆弾の犠牲になるところであった。立ちのぼる白煙のなかで、この時はじめて三人は青銅鬼の面をかぶった怪人に襲われた。紀州卿のあとを追う天狗の一行、更にそのあとを長次や幕府の隠密おぎんなどが続く。峠の山宿で青銅鬼に一撃を加えた天狗におぎんは短銃をむけるが、それには吉兵衛の機転で弾丸が抜かれていた。そして、口惜しがりながら、おぎんの心は天狗にひかれるのだった。その後天狗は青銅鬼と組みついたまま崖からおちて消息を絶ったが、杉作たちが白浜の洞窟に幽閉された卿を救おうとして高刀一味にとりかこまれたとき、青銅の面をかぶった天狗が現われてこれを救った。数日後、京都の大徳寺境内では天狗と近藤との対決が行われようとしていた。