処女雪

劇場公開日:

解説

『婦人生活』連載の小糸のぶの原作を「緑の風」の柳井隆雄が脚色し同じく原研吉が監督している。撮影は森田俊保。出演者の主なものは「お茶漬の味」の津島恵子、「お嬢さん社長と丁稚課長」の水原真知子と高橋貞二、「カルメン純情す」の小林トシ子のほかに川喜多雄二、須賀不二男、英百合子などである。

1953年製作/101分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1953年10月21日

ストーリー

美奈子、貞枝、百代の三人は共に孝行の絵の教師佐々木信也を慕っていたが、信也が美奈子を愛しているのを感じた百代は諦めて絵の路に精進し、貞枝は口惜しさのあまり狂言自殺までした。その為美奈子の両親に誤解され憤然上京した信也は、友人須永の出版社の挿絵書きに従事し、堀田画伯に紹介され、奇しくもその席上でバーの女給になった貞枝に邂逅した。貞枝は堀田に近づき信也を見返そうと図るが、堀田はその頃上京してきた美奈子に惹かれ、妊娠した貞枝を棄てた。百代の機転で信也とめぐり合った美奈子は、もう何ものにも負けず二人の愛を信じる事を誓うが、貞枝が信也の下宿で自殺しようとしたのを見ると、急に貞枝が哀れになって、信也を貞枝に譲り、自分は堀田と結婚しようと決心し、堀田の家を訪れる途中自動車事故で倒れ、足を切断する。急を訊いて駈けつけた信也は全てが誤解だった事を知り変わらぬ愛を美奈子に告げると同時に、堀田に会って貞枝の責任を取る事を承知させた。信也の書いた美奈子の肖像は見事入選した。信也は脚の不自由な美奈子を抱くようにして、展覧会場のその絵の前にいつまでも立ちつくした。

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