湯の町しぐれ

劇場公開日:

解説

製作は「早春二重奏」の久保光三で、萩原四朗の原作及び作詞を「息子の青春」の中村定郎が脚色し、新人長島豊次郎が監督に当り、「銀座巴里」の井上晴二が撮影を受持っている。出演者の主なものは、「夏子の冒険」の高橋貞二、「娘はかく抗議する」の井上邦子のほか、小林十九二、安部徹、清水一郎、高橋榮子などである。

1952年製作/85分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1952年8月14日

ストーリー

伊豆伊東の若い旅館主高山彌太郎は、漁師太吉の妹かよと恋仲であった。しかし、太吉は、彌太郎の父彌助が太吉兄妹の父太平の仇であるといって、かよと彌太郎との結婚を承知しなかった。太平は彌助から色々眼をかけられていたが、一日天城へ狩猟に行ったとき、彌助があやまって人を射殺した罪を、日頃の恩をかさに身代りに服罪させたというのである。たまたま網元の濱名宗吾はかよと彌太郎との仲を知りながら、かよを嫁にくれといい出した。太吉が返事をしぶるのを見ると、彼は太吉に貸した二万円の金を返えせと難題をもちかけた。かよは悲しみに堪えかねて投身自殺を計って救われた。太吉も妹の心情をあわれと思って彌太郎を迎えに行くが、その彌太郎は、宗吾が購入する筈の漁船のブローカー島田たちの不正を宗吾に知らせたため、浜辺で島田たちに襲われ負傷してかつぎ込まれたところであった。宗吾は、彌太郎から、仇を恩で返す親切を受けて、ほん然と悔悟した。そして実は彌助と太平が同時に打った弾丸であやまって人を殺し結局太平が罪に服した事実を物語ったので、太吉の彌太郎に対する恨みは氷解した。やがて彌太郎の許へ嫁ぎ行くかよの美しい花嫁姿の見られる日がやって来た。

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