最後の顔役(1952)
劇場公開日:1952年2月28日
解説
製作は「江戸恋双六」の柳川武夫。山岡荘八の「講談倶楽部」所載の原作から、「真説 石川五右衛門」の若尾徳平が脚色、「この旗に誓う」の小杉勇が監督に当たっている。撮影は「快傑鉄仮面」の大塚新吉である。出演者の主なものは、「風流活殺剣」の宮城千賀子、「魚河岸帝国」の龍崎一郎、「水戸黄門漫遊記 地獄谷の豪族」の御園裕子のほか、薄田研二、加藤嘉、八汐路恵子、夏川静江などである。
1952年製作/97分/日本
配給:東映
劇場公開日:1952年2月28日
ストーリー
山野京子は夜の歓楽街の顔役山万の娘であった。父が暴力団狩りを避けてかくれた留守を守っていたが、相次いで検挙される身内の家族の面倒を見るために、女だてらに拳銃を持って賭場荒らしをやっていた。その夜も新興顔役の足助の賭場を荒らした上、追跡をのがれて青葉保育院の礼拝堂に逃げ込み、幼馴染の専太郎に出会った。元この二人は愛し合っていたのに、戦争中出動命令を受けた専太郎が、別れに京子を訪ねて来て、会えない淋しさと酒の酔いのため京子の家に寄宿していた春子に接吻してしまった。それを京子に見られ、以来二人の間は気まずくなったまま別れていたのであった。復員して帰った専太郎は依然京子を想いつづけていて、彼女の生活の荒んでいることには心を痛めていた。ある夜再び京子に会った専太郎は心をこめて京子を諌めたので、彼女の心もとけ彼の愛情にたよって甦生を誓った。が、この時思いがけず父山万が帰って来て、春子と専太郎を結びつけようとする。京子は父や春子の気持ちを察して身を引こうとし、父を再び旅に立たす費用にまた足助の賭場を荒した。専太郎は京子の身を案じて駆けつけたが、すでに京子は足助の弾丸に傷ついていた。しかし折りからひびくパトロール・カーのサイレンの響きに足助一味は逃げ出し、一網打尽に捕らえられた。専太郎の腕に抱かれ、京子は今度こそ新生を誓うのだった。