嫁さがし千両勝負 恋しぐれ千両勝負
劇場公開日:1960年10月12日
解説
「黒部谷の大剣客」の結束信二の脚本を、「旅の長脇差 花笠椿」の小沢茂弘が監督した、千代之介の明朗二部作。撮影は「危うし! 快傑黒頭巾」の山岸長樹。
1960年製作/日本
配給:東映
劇場公開日:1960年10月12日
ストーリー
◇嫁さがし千両勝負 江戸の真中である夜殺人事件が起きた。この数件の現場に、ノコノコやってきて道をたずねるトボケた男があった。剣術ならぬ色事修行のため、常陸の国潮来からやってきた只野獏太郎だ。美人のスリお島が、カモとばかりに手練手管の大サービスをした。相模屋の一人娘でおキャンなお澄も、獏太郎をひっぱり出して料理屋にいき意気投合して盃を重ねた。そこへ、地獄道場の暴れん坊たちが入ってきた。獏太郎に早速因縁をつけたが、同心の三田村市兵衛が仲に入ってことなきを得た。三田村は、料亭に獏太郎を招待した。三田村から過日の殺人事件の被害者が油間屋の越前屋の番頭と聞いて、獏太郎は緊張した。越前屋の息子清吉とお澄の婚礼の日が近かったが、事件の背後に地獄道場の殺し屋を使って越前屋の乗取りを策す同じ油問屋の丸金屋が動いていることを知った。越前屋危篤の知らせを受けたお澄、清吉は、駕籠をとばして根岸へ向った。途中、地獄道場の殺し屋たちに襲われた。その時、獏太郎が現われ、彼らを叩き斬った。お澄、清吉は結ばれ、三田村は丸金屋一味を捕えた。獏太郎の財布どころか、その男心に参ってしまったお島の手をとって、獏太郎は消えた。 ◇恋しぐれ千両勝負 地獄道場の連中をやっつけた獏太郎の評判は凄かった。金井伴五郎など御家人くずれの四人組がこれに目をつけた。獏太郎の故郷麻生の新庄藩家中の者と偽わり、獏太郎を料亭へ引張り出した。が、獏太郎はすぐに偽者と見破り、四人組を叩きのめした。恥をかかされた四人組は、お島を誘拐、五百両の身代金を請求した。獏太郎は、名指された一本松の下に出かけていった。居酒屋樽吉の一人娘お千賀は、酔った四人組の口からこれを聞き、役所に注進、同心の三田村とお島の子分の銀太の活躍でお島の居所をつきとめ、救った。獏太郎は四人組に金を渡そうとしたが、転けつけたお千賀の報告を聞いて怒り、四人組を斬った。お島も獏太郎の許へ戻った。この時、一人の老人が走ってきた。獏太郎の父の獏左衛門で、色事修行のため江戸に出てきたという。驚いた獏太郎はお島の手をとると逃げ出した。獏左衛門が杖をふりながら後を追った。