金語楼の俺は殺し屋だ!
劇場公開日:1960年8月16日
解説
「この髭百万ドル」の高橋二三の脚本を、「刑事物語 小さな目撃者」の小杉勇が監督した喜劇。撮影は「浅草姉妹」の山崎安一郎。
1960年製作/67分/日本
配給:日活
劇場公開日:1960年8月16日
ストーリー
落ち目のやくざ都鳥一家の女親分ミキは、世界的な殺し屋“苦が虫の金造”を香港からよびよせ、勢力挽回を計った。ところがその歓迎パーティの準備中、金造とウリ二つの山下敬吉というサラリーマンが一家の者にひろわれた。小心者の彼は退職金五百万円を盗まれ、自殺を計っているのを救われたのである。歓迎パーティの席上、金造は酔って泣きだした。彼は泣き上戸だったのである。あわてたミキは咄嗟に敬吉に黒装束を着せ、殺し屋のかえだまを仕立ててその場をつくろった。拳銃の試し撃ちも、何者かがカーテンのすき間から敬吉の代りにシャンデリアを撃ち落とし、成功に終った。金造の第一回目の仕事は銀行ギャングだった。だがその当日、また彼の泣き上戸がはじまり、敬吉が再び身代りにたった。襲撃先の銀行は敬吉の娘弓子の勤め先だった。敬吉はわざと失敗して、一味のアジトであるバー・アトミックのマッチを落して逃げた。日の出の勢いの都鳥一家をねたんだ梶山組はある日寝込みを襲って金造を殺した。そしてミキの一粒種茂夫をさらった。決死の勢で茂夫をとりもどした敬吉は、いよいよ金造の仕事をそのままやることになった。一億円の大取引の日がきた。警官隊にふみこまれて、敬吉とミキは金をもって逃げだした。それを警視庁の佐々木刑事と弓子が追った。敬吉は金造として捕えられ、弓子に罪がおよぶのを防ごうとした。その時、梶山が一同の後ろから拳銃をつきつけた。しかし彼の銃は、黒づくめの男の手で撃ち落された。そして、ものかげから現れたその男は、敬吉と弓子をうしろにかばった。たびたび敬吉を助けた何者ともしれぬ男は、死を装っていた本物の金造だったのである。梶山と改めて対決し、相撃ちで倒れた彼は、敬吉親娘の幸福な前途を祝福して死んだ。