地獄(1960)

劇場公開日:1960年8月5日

解説

中川信夫・宮川一郎の共同脚本を、「女死刑囚の脱獄」の中川信夫が監督したもので、死後の世界として想定されている地獄を、幻想的にえがいたスペクタクル映画。「黒い乳房」の森田守が撮影を担当した。

1960年製作/100分/日本
配給:新東宝
劇場公開日:1960年8月5日

あらすじ

仏教大学の学生清水は悪魔的な雰囲気をもった学友田村のため、悩まされていた。彼には、恩師矢島教授の娘である幸子という婚約者がいた。ある日、幸子の許を訪れ楽しい時を過ごしていたが、田村が来、不快な気持ちにさせられた。田村と自宅に帰る途中、酔漢を轢殺してしまった。清水は良心の呵責と、つきまとう田村の存在に苦悩した。幸子と自首しようと車を走らせる途中、田村の幻影に襲われ、安全地帯にのり上げた。幸子は死んだ。幸子の母芙美は、ショックのため気が狂ってしまった。清水は、酒で苦痛を忘れようとした。田舎の父親から母が重態だから帰るようにという電報が来た。清水の父親は、田舎で天上園という養老施設を経営していた。この天上園には、それぞれ過去に罪を背負った人たちが集っていた。田村が、また清水の後を追ってやって来た。矢島教授も、芙美と講演旅行の帰途立ち寄った。洋子の呼び出しで、清水は指定の場所である崖に行った。彼女は轢死させた酔漢の女だった。拳銃を持って迫る洋子を、あやまって崖下に突き落した。殺意なき殺人をまた犯してしまった。数日後、天上園の十周年記念が催された。宴席に出された、腐った魚のため関係者は全員中毒症状を起こした。死にいたる直前、清水はおそるべき死後の世界“地獄”を夢想した。赤い炎と青い炎の中に、八大地獄の醜怪無残な姿が現われた。天上園の亡者たちの間を清水の姿を求めてさまよい歩いた--。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

地獄(1960) の関連作を観る

powered by U-NEXT

映画レビュー

4.0 カルトの持つ中毒性

2025年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

難しい

主人公の清水(天知茂)が、正体不明の同級生田村にそそのかされる(?)ことで、様々な悪事や不義理などを重ね周囲の人々を不幸に巻き込み、地獄に落ちていくお話。

1960年の作品なので、絵面はチープ。とても時代を感じる。
でも、怖いというか、ついつい見てしまうと言うか何だか気になる中毒性がある。
何だろう??1960年のあの当時にしか出せない、感性・画・音楽・台詞・演技・演出ですよね。同じ台本を現代風にアレンジをして、地獄のシーンをCGで再現をしても絶対にこの中毒性は表現出来ないと思う。

あわせて田村役の沼田曜一という役者のオーラが凄まじい。

B級カルト映画なんだけど、チープなことは判ったうえで個人的に「好き」と感じたので自分の感性に素直になります。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ヤナコ

1.0 究極のゲテモノ映画

2021年12月24日
スマートフォンから投稿

この映画は人間をみな悪者にしたいみたいで、人間性悪説に立つんだろうな。
田宮とか親父の妾とか、地獄よりも生前の登場人物のほうがキモかった。三ツ矢詩子もこんな映画に出るの嫌じゃなかったのかな。その容姿だけがこの映画で美しかった。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
tatechan

0.5 無理

2021年1月30日
iPhoneアプリから投稿

キモすぎて、地獄で先生夫妻に会った所で見るのやめました。古すぎてついていけないのかも。
やっぱ生まれる前の古いの見るのやめよっと。わからん。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
totechinsyan

2.5 これはまいった

2017年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

新東宝という会社でいわば定番になっていたゲテモノ路線に怪奇趣向を取り入れた一本、という前置きはいいとして、これは公開時どういう受け止め方をされたのだろうか。

若き天知茂がひたすら翻弄され地獄めぐりをする様を見せられるのだが、監督中川信夫の毒々しさがてんこ盛り。邦画のアングラ集大成ともいえそう。十二分なエログロ指向も。白眉なのが悪魔的な田村というキャラ。登場の仕方や存在感にスタイルがある。あとドンチャン騒ぎシーンに見られたカメラワークと編集には唸った。

しかしながら地獄のカオスには脈絡さは無くアングラ見てるなぁという感想で終わりでした。ラストの奇妙な明るさは面白いけれど。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
散歩男

他のユーザーは「地獄(1960)」以外にこんな作品をCheck-inしています。