お嬢さん三度笠
劇場公開日:1960年5月11日
解説
「パイナップル部隊」の小国英雄の脚本を、「よさこい三度笠」のコンビ安田公義が監督し、武田千吉郎が撮影した明朗時代劇。
1960年製作/73分/日本
原題または英題:The World War? Breaks Out
配給:大映
劇場公開日:1960年5月11日
ストーリー
武州の忍(おし)城主の妹・信姫は城を抜け出し、武者修行の旅に出た。町娘姿の彼女を雲助が襲った時、現われた沓掛仁兵衛の娘お粂が救ったが、これは大前田英五郎の伜英次郎に助っ人の依頼にいく途中だった。信姫を脳が弱いと早合点し、やくざ姿に身をかえさせて旅を続けた。--同じ頃、担ぎ小間物屋の新蔵は、ヤクザに襲われたのを、木更津の与三郎という男に救われた。“大前田英次郎だ”という彼のタンカに、新蔵は彼の乾分になった。--お粂たちが連雀町の喜三郎親分のもとに着いた時、彼女の名をかたった女が先に泊っていた。お粂の道中手形を盗んだ犯人だ。逃げようとした女・お峰の身上話に、お粂は小諸まで同行することにした。お峰は幼い日に別れた兄に会いに行くといったのだ。与三郎たちは本町の長兵衛親分のもとに泊ったが、長兵衛の魔手から娘とその老爺を救った。翌朝、山道の一行を長兵衛一味が襲った。お粂たちは英次郎と長兵衛の果し合いと聞き駈けつけ、与三郎たちに応援したが、大名行列が通りかかって、彼女らだけが残されてしまった。上州安中宿で、信姫は安中城の八重姫に取り次ぎを頼み、姫の前で仁義をきって、泊めてもらった。梨の木川の渡しで、お粂の乾分亀助が追ってき、沓掛一家が二足ワラジの久兵衛に縛られたと知らせた。与三郎はそれを聞くと、お粂に新蔵を英次郎として引き会わせた。一行は沓掛へ向う。久兵衛一味はニセ英次郎と知ると、果し状を突きつけてきた。賽の河原で久兵衛、長兵衛一味と、仁兵衛、お粂らが対決した。ニセ者のはずの新蔵はホンモノの英次郎であることがわかり(与三郎も驚いた)、久兵衛一味は破れかぶれで襲ってきた。乱闘。悪代官の手下が相手に助勢し、仁兵衛たちが危く見えた時、八重姫と腰元たちが渡世人姿で駈けつけたのだ。--信姫の弟・小諸城主牧野遠江守は忠臣加藤主馬と共に藩政改革に苦心していたが、そこへ江戸表から与三郎扮する大目付名代と、新蔵扮する御添役が着き逆臣本間監物を縛った。--城外れで、信姫、八重姫の一行は西に向った。腰元姿のお粂、お峰、その兄加藤主馬が附きそった。与三郎たちは馬で東へ。途中で元の渡世人姿にもどると、仲良く歩いていった。