歌行燈
劇場公開日:1960年5月18日
解説
泉鏡花の同名小説を映画化したもので、衣笠貞之助・相良準が脚色、「かげろう絵図」の衣笠貞之助が監督した。撮影は「嫌い嫌い嫌い」の渡辺公夫。
1960年製作/113分/日本
原題または英題:Three Days of a Reckless Fellow
配給:大映
劇場公開日:1960年5月18日
ストーリー
時は明治三十年代、所は伊勢の山田に東京から観世流家元恩地源三郎の嫡子喜多八を迎えて家元連中の奉納能が華やかに行われた。盲目の謡曲指南宗山は昔の娘のお袖と二人町を歩いた按摩だったが、今は妾を二人もつ町一番の師匠だった。恩地親子の権勢を面白からず思う宗山を、旅姿に扮した喜多八が訪ね、田舎天狗の鼻をへし折って立ち去った。自分の芸に自信を失った宗山は古井戸に身を投げて果てた。源三郎は喜多八を謡曲界から破門して宗山に詑びた。焼香に来た喜多八は、美しく気性の勝ったお袖を一目で愛したが、その日より諸国を門付して歩く身となった。芸妓に身をおとしたお袖は、父を思うと一切芸事には身が入らなかった。芸の出来ない芸者は惨めだった。桑名の島屋に抱えられた或る夜、門付して地廻りに叩きつけられる喜多八に会った。安宿で介抱するお袖は父の仇も忘れて喜多八を愛した。お袖が仕舞の稽古を頼むと、以来父より謡を禁じられた喜多八は喜んで引受けた。早暁の裏山で二人のきびしい稽古は続いた。そして、お袖の舞う“玉の段”が仕上る時、それは二人の新しい生活の始まる日だった。お袖に睦屋の旦那の身請け話が起った。地廻りと喧嘩して留置された喜多八は、約束の朝、現われなかった。絶望したお袖は覚悟の殺鼠剤を帯にはさむと睦屋の座敷に出向いた。睦屋は急用で出かけた後だった。お袖が別の座敷に出たのは、能に関係ある客と聞いたからだった。客は恩地源三郎と小鼓の師匠辺見雪叟の二人だった。喜多八の父と知らず、お袖が“玉の段”を舞った時、その見事さに源三郎は地の謡を、雪叟は鼓をつとめた。鼓の音に魅入られたように、喜多八の姿が近づいた。かたくだき合ったお袖と喜多八の体に傍の白梅が散った。
スタッフ・キャスト
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恩地喜多八市川雷蔵
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恩地源三郎柳永二郎
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辺見雪叟信欣三
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笹野中条静夫
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箕部武江泰雄
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宗山荒木忍
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お袖山本富士子
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おます倉田マユミ
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おこい角梨枝子
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おしも町田博子
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米倉春本富士夫
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草野早川雄三
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望月丸山修
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おもん竹里光子
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源次中田勉
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志賀蔵星ひかる
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おきみ目黒幸子
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千代丸加治夏子
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海軍大尉八木沢敏
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海軍中尉入江洋佑
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倉吉上田吉二郎
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お幸賀原夏子
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おけい小野道子
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おはん若松和子
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おそめ南左斗子
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おなつ水木麗子
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おろく村田扶実子
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鉄砲松見明凡太朗
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銀次守田学
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お秀浦辺粂子
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本田佐野浅夫
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お千近江輝子
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弥市大塚弘
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今村屋彦七小沢栄太郎
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睦屋宗平花布辰男
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お芳耕田久鯉子
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島屋の芸者ともよ穂高のり子
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はぎえ花村泰子
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ぼたん三保まりこ
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小梅磯奈美枝
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おいな奈良ひろみ
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おとみ村井千恵子
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こはま立花宮子
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水月の芸者友好白井玲子
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花竜小泉順子
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一二三楠よし子
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染治半谷光子
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紅葉新宮信子