続次郎物語 若き日の怒り
劇場公開日:1960年5月13日
解説
下村湖人原作の今回は第三・四部の映画化。脚色・館岡謙之助、監督・野崎正郎、撮影・森田俊保はいずれも「次郎物語(1960)」のスタッフ。
1960年製作/91分/日本
劇場公開日:1960年5月13日
ストーリー
昭和七年--中学校では陸軍記念日を奉祝する野外演習が行われた。四年生の次郎は白軍の斥候をつとめ、五年生二人を捕虜にした。翌朝、くやしがる悪童連が次郎に難癖をつけたが、生徒監の朝倉先生が通り合せ、彼らを退散させた。春の休暇が来て、寮にいる高校生の兄・恭一が帰って来た。二人は継母の実家を訪れた。次郎は運平老人の剣道の相手をした。若主人・徹太郎の義理の妹道江が次郎を声援した。明るくて美しい彼女に、次郎も恭一も心をひかれた。店の番頭の肥田が金を持って行方をくらますという事件が起きた。春月亭の女将が、肥田の判をおした証文をもって来、上酒一斗を請求した。品切れだったので、次郎はくやしまぎれに壜に水をつめて渡した。後に次郎は謝罪に行ったが、彼の心は晴れなかった。--五・一五事件。が、次郎にはもっと驚くべき出来事がもち上った。朝倉先生の時局を批判した講演が問題になり、先生が辞職を勧告されたのだ。ストを主張する者がいたが、次郎は反対した。その夜、次郎は血で嘆願書を書いた。しかし、そんな次郎たちの努力も空しく、朝倉先生は東京へ去った。次郎も学校をやめる決心をした。送別の壮行会の夜、次郎は道江に手紙を渡した。お別れの日が来ました。今日までどんなにあなたに励まされたことでしょう--という手紙を。朝が来て、次郎を乗せた列車は遠ざかっていった。