銀座のお兄ちゃん挑戦す
劇場公開日:1960年1月9日
解説
菅野昭彦・斎藤正夫の共同脚本を、「どんと行こうぜ」の野村芳太郎が監督したコメディ。撮影も「どんと行こうぜ」の川又昂。
1960年製作/63分/日本
原題または英題:The Man at the Bullfight
劇場公開日:1960年1月9日
ストーリー
銀座の天ぷら屋“天松”で上野伸太郎、坂井昌也、高瀬吾朗達は“天松”の娘松原美佐子を加えてクラス会を開いた。ふとしたことから愚連隊と喧嘩になり、毎朝新聞の伸太郎は商売道具のカメラを壊され、翌朝写真部長と婦人記者の美佐子から油を絞られた。吾朗はバー“エトアール”のバーテン、静江という自称女子大生が女給に応募してきた。昌也は洋裁店“リュンヌ”のデザイナー、お針子の女性群に囲まれて仕事をする。“エトアール”を地階に、“リュンヌ”を一階にもつこの相良ビルの持主、相良文恵は両方の店の経営者でもある。彼女は今空いている三階の借り主を物色中だ。たまたま“エトアール”に来た一見紳士風の男黒田もカモだった。国会議員に当選した中津川も来た。或る日、伸太郎は愚連隊にとり囲まれた田舎出の娘あけみを救った。あけみは“天松”に預けられた。“リュンヌ”では文恵の歩合引下げにお針子達が騒いでいた。三階は黒田に貸し、しかも文恵は洋裁学校建設の敷地を黒田に頼んだ。“エトアール”でからんで来た例の愚連隊をうまくあしらったのは黒田の社員どもだった。三人は両者の間をくさいとにらんだ。中津川はゴルフ場で選挙違反を追求された。会計の佐伯が雲がくれしたからである。静江が中津川の傍に秘書然としているのに、取材に行った伸太郎は驚いた。相良ビルを担保にして買った土地が実は道路予定地だったと黒田から知らされた文恵はガックリしてしまった。“天松”ではあけみがボーイフレンドを多勢引き入れて、美佐子も店の者も呆然とする毎日だった。黒田がくさい。伸太郎は社会部から情報を集めた。その夜、黒メガネの男が黒田を訪ねたが、閉っているので昌也の宿直室に泊った。それが手配中の佐伯だと分って昌也が通報した頃はもう消えていた。しかし黒田・中津川の関係ははっきりした。美佐子は料亭に張り込んで、中津川が佐伯に高飛びを強要していることを知った。芝浦棧橋へ向う一行の車を伸太郎たちを乗せたドライブ・クラブの車が追った。自分がだまされたと知った佐伯は反抗して黒田の社員にいためつけられたが、伸太郎たちに救われた。佐伯の告白で黒田と中津川の悪事はばれた。中津川一味が直ちに全員検挙されたことは言うまでもない。