トップ屋取材帖 悪魔のためいき
劇場公開日:1960年1月9日
解説
トップ屋取材帖シリーズの第三話で、島田一男の原作を、「海の罠」の星川清司が脚色、「可愛い花」の井田探が監督したアクション・ドラマ。撮影も「可愛い花」の柿田勇。
1960年製作/50分/日本
原題または英題:Victory or Defeat
配給:日活
劇場公開日:1960年1月9日
ストーリー
ネタ不足で経済的ピンチに陥っていたトップ屋・黒木三郎は、助手のユリが拳銃売の情報をつかみ、春江という女を尾行中、盲腸で倒れたと知らされ、ユリを病院に見舞う一方、早速行動を開始した。前科者を装い、もと赤線街で春江に会った彼は、さらに本郷朱実という春江を慕う女を知った。黒木が「ハジキが欲しい」と朱実にもちかけると朱実に「月世界」という国際賭博場に案内され、そこで貨物船愛宕山丸の船長大原に引会わされた。そして黒木は朱実に誘われるままに伊豆半島の山荘へ同行した。そこには得体の知れぬ男たちがいた。犯罪の影を感じた黒木は男たちをライター・カメラに収めた。その頃、東京では日東自動車の高山部長が他殺死体となって発見される事件が起きた。警察は、それが頻々と起る自動車運搬襲撃事件に関連ありとにらみ、高山が襲撃の情報を流していたと断定した。しかも、その夜、名古屋から七台の裸馬--エンジンだけを取付けたトラックを輸送中と知り、ギャング団の襲撃を予想、直ちに手配した。しかし裸馬輸送中の箱根山中ではすでに惨劇が展開されていた。襲撃団の首領は朱実。同行の黒木は彼らの行動をカメラに収めた。裸馬を奪った朱実らは興津の自動車修理工場に入った。出迎えたのは意外にも大原船長、彼は裸馬を奪っては解体して香港へ売りとばすギャング団の首魁だった。仕事を終った朱実は大原に足を洗うと言ったが、香港への同行を迫られた。黒木の鉄拳が飛んだ。朱実を連れて車で脱走した黒木を大原一味が追った。先回りした一味は路上にガソリンをまいて点火、拳銃の乱射を浴びせた。しかし朱実の銃弾が大原を倒した。すべては終った。朱実は黒木に恋を告白、実は幼時別れた妹である春江を頼むと警察へ自首した。「約束を守ろう」朱実に約束した黒木は、裸馬掠奪記の特ダネ記事のペンを取った。