ヒロシマの証人

解説

新人斎村和彦が脚本・監督を担当した。“原爆問題”をテーマにした社会劇。撮影は江連高元。

1968年製作/日本

ストーリー

道子は広島病院の雑役婦で、娘の康子も準看護婦として同じ病院で働いていた。ある日、同じ、相生地区に住む被爆者せつが白血病で倒れ、間もなく死んだ。道子も、実は被爆した身体なのだがその事実は誰にも明かしていなかった。康子はその時、道子の胎内にいたのだった。道子はせつの子供を引取って育てることにした。そんな時に、アメリカの原爆研究所ABCCが、爆心地から二キロ以遠の被爆者には放射線の影響はないと発表した。これは広島病院の根本医師の研究結果とはまったく違うものだった。根本の研究では、まず入院通院患者の多くが爆心地から三キロから五キロ離れた地点で被爆していることをつきとめ、さらに具体的にABCCの発表に反論すべく、資料を集めた。そして、根本は広島医師会会場で、ABCCへの反論、日本政府への提言と題して講演し、政府はABCCの発表にまとわされず被爆者を完全な医療保護下におくべきだと主張したのだ。そのころ道子にも原爆症状が出てきた。それでも道子は、康子の将来を思って、病状を隠しつづけた。一方、県が相生地区を団地にするため、立退き命令を出した。住民たちは「立退対策委員会」「被爆者同士会」を結成して立ち上ったのだった。やがて道子は白血病で倒れ、康子も自分が胎内被爆した身体なのを知った。そのショックで放心状態になった康子は、鉄道自殺の寸前、ケロイドのある美代子に救われた。間もなく道子が死んだ。しかし康子は、顔にケロイドをもちながら、小頭症の妹をかかえて生きている美代子を見て力強く生きていこうと決心するのだった。

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