人妻椿(1967)
劇場公開日:1967年6月10日
解説
小島政二郎の同名原作を「銀の長靴」の桜井義久と「宇宙大怪獣 ギララ」の元持栄美が脚色し、「銀の長靴」の市村泰一が監督したメロドラマ。撮影はコンビの小杉正雄。
1967年製作/96分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1967年6月10日
ストーリー
貿易会社社長有村は自分をゆすりに来た小板橋を射ち殺してしまった。有村に恩義のある営業部長矢野は妻嘉子と子供の秋子を有村に頼み、罪を被って行方をくらました。嘉子は有村の援助を受けて暮していたが、その有村が突然亡くなると妻静子は嘉子に冷淡になった。途方にくれた嘉子は女学校時代の友人のアパートに身を寄せた。そんな時、有村の息子恒也は嘉子をものにしたい下心から、嘉子に自分のバーをまかせた。美人のマダムとして評判になった嘉子だったが、恒也の横恋慕に、実家に逃げ帰った。漁師の父勉蔵は快よく嘉子母子を迎えてくれ、水入らずの楽しい幾日かが過ぎていった。しかし、勉蔵は時化で遭難し、嘉子は再び上京した。嘉子は外国にいるという夫の帰りをひたすら待ちつづけていたが、小板橋の子分近藤も、矢野を親分の仇として帰国を待っているのだ。一方、矢野はテヘランで石油事業に従事していたが、恒也の妹珠実の恋人である草間が、写裏の取材旅行でテヘランに現われ、矢野と会った。矢野は草間から有村の死を知り、嘉子の苦境を悟った。矢野は危険を冒して帰国したが、その頃嘉子は生活に困って芸者になり、しかも身許を知られて近藤に監禁されていた。矢野は嘉子を連れ戻すため近藤を訪れたが近藤は親分の仇を討とうと矢野に拳銃を向けた。しかし、その弾丸に倒れたのは、仲裁に入った小板橋の未亡人せんだった。せんは恒也が小板橋を殺したのは有村だったことを発表した新聞を握って死んだ。矢野の罪は、その新聞によって無罪であることが分り、嘉子は、今は心おきなく、懐かしい夫の胸にとび込んでいくのだった。