復讐の切り札
劇場公開日:1966年1月29日
解説
「星と俺とできめたんだ」の松浦健郎が、原作とシナリオを執筆、「これからのセックス 三つの性」の瑞穂春海が監督したアクションもの。撮影は「復讐の牙」の渡辺徹。
1966年製作/70分/日本
配給:大映
劇場公開日:1966年1月29日
ストーリー
某年某月。風雨の台湾海峡で、一隻の貨物船が凄惨な乱闘を展開していた。青田船長にダイヤ密輸を見破られた権藤、駒田、貝塚、中島の四人の船員が、船長と船長の息子新次をなきものにしようとたくらんだのだ。それから五年の歳月が経った。四人の船員は今ではK市の名士に納まり、顔をきかしていた。一方、父を射殺され、自分は辛うじて海にのがれた新次は、秘かに復讐の機をうかがっていた。だが新次にも大きな打撃があった。かつて新次の恋人であった花田明江が、K市の最実力者荒垣の情婦となり、花田チャームスクールの校長として、社交界の花形スターとなっていたことだ。しかし、新次の前にも、風変りな女が出現した。金と暇をもてあます笹木道子という女だ。復讐の準備は完了した。変装に身をやつし、超スピードの車を使う新次の復讐法は、密輸ダイヤを指令した宝石商雁金英三から始められた。だがつわ者の雁金の手で警察に渡され、二、三日ぶりで出て来た新次は、老作家に変装するや、不動産業の中島を訪ね、中島に銃を向けたが、不思議にも、新次の銃より早く、狙い射った男がいた。新次にも謎である。一方雁金らは、ダイヤの分け前を来月三日と定めて、中島の死をむしろ喜んだが、死の影が自分の後にしのび寄る不気味さに息をのんだ。その頃新次は、そば屋に変装すると、花田チャームスクールに侵入し、花田明江に会うと、来る花田チャームスクール発会式の余興にフランス奇術師として舞台に出演するよう強請した。発会式の当日、奇術の実験台に貝塚を指名した。奇術箱の中で父を殺した犯人を追求した新次は、惜しくもまた謎の男に貝塚を殺された。あせった新次は残る権藤、駒田をせめたが、二人は雁金の名を挙げて、詳わしく話そうとしなかった。殺し屋に化けて雁金に近づいた新次は、雁金もまた市の有力者荒垣にあやつられる人間だと知って愕然とした。だが新次のかつての恋人明江だけは、その事実を察知し、荒垣に近づき復讐の機会を狙っていたのだ。荒垣を狙い射った新次は流れ弾で倒れた明江を抱いて、復讐の一念から離れるのだった。