「金と破滅と男たち」五匹の紳士 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
金と破滅と男たち
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五社英雄監督1966年の作品。
映画監督デビュー後時代劇続いていたが、初の現代劇。
元銀行員の笈田。上役の令嬢と婚約していたが、交通事故で人を殺めてしまい、獄中の身。出所を翌日に迎えた時、獄中で知り合った男・千石から3000万円山分けの話を持ち掛けられる。出所後千石の愛人に会い、3人の男を殺して欲しいと依頼される…。
そう易々と大金が手に入る筈がない。引き換えの殺人依頼。
普通だったら躊躇する所だが、事故とは言えすでに人を殺めている。金にも目が眩み…。
失った幸せを金で取り戻そうとする男の顛末。
標的の3人の男。
元警官、ストリップ小屋勤務、元ボクサー。
三者三様。転落した男たち。彼らに何があった…?
千石と3人は現金強奪を計画。今隠した金の在りかを知るのは千石のみ…。
大金を一人占め。山分け予定だった3人も消す。
話を持ち掛けられた笈田だって、きっと…。
さらに、千石たちに金を奪われた某国人の殺し屋も迫り…。
金に目が眩んだ男。
金に翻弄された男たち。
金を一人占めしようとする男。
欲と思惑が交錯。“五匹の紳士”とは何と皮肉なタイトル。
仲代達矢、平幹二朗、井川比佐志、田中邦衛ら若き日の名優たちが破滅に向かって突っ走る。
滅びゆくアウトローたちの姿に、五社イズムが光る。
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