「ある意味、斬新?」十七人の忍者 大血戦 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)
ある意味、斬新?
1966年公開、配給・東映。
88分。
【監督】:鳥居元宏
【脚本】:池上金男、鳥居元宏
主な配役
【弓削新三郎(伊賀)】:松方弘樹
【服部半蔵(伊賀)】:大友柳太朗
【甲賀結香】:小川知子
【甲賀甚左衛門】:南原宏治
【大原三右衛門(甲賀)】:嵐寛寿郎
【紀州大納言頼宣】:近衛十四郎
【松平伊豆守信綱】:大木実
◆『十七人の忍者』の続編ではない。
時代劇(主にテレビ)をホームグラウンドとした鳥居元宏の初監督作品。
岡田茂の思いつきでタイトルだけ、
『十七人の忍者』の続編ぽくしたらしい。
鳥居は「十七人も出てきませんよ」と反発したと伝わる。
昭和らしいエピソードだ。
◆伊賀と甲賀
伊賀のヤングリーダー・弓削新三郎(松方弘樹)と、甲賀の姫君・甲賀結香(小川知子)の恋物語が仕込まれていて、山田風太郎の『甲賀忍法帖』を思わせる設定。
※『甲賀忍法帖』は弦之介と朧。
『甲賀忍法帖』のほうが古い(連載開始1958年)ので、アイデア拝借した可能性もある?
大友柳太朗や嵐寛寿郎、近衛十四郎など時代劇の重鎮たちも登場し、なかなか重厚感がある。
◆設定に無理が?!
紀州大納言頼宣が登場するとなれば、おなじみ?の家督相続争いですね。
一戦交えるべく、徳川頼宣が密かに貯蔵した武器弾薬を巡り、伊賀と甲賀がぶつかる。
いや、こんな大任、忍者の職務分掌ですかね?(笑)
当時の建築物など木造なんだから、
忍者だったら、
在り処がわかったら、火矢でも爆薬でも使って放火すれば良いのに…
なんて野暮なことは言ってはいけない。
◆まとめ
本家の『十七人の忍者』より、展開がスピーディーで面白い。
ただ、嵐寛寿郎があっけなく退場したのは残念。
まだ息のある味方を盾に嵐寛寿郎(大原三右衛門)を葬る松方弘樹。
うわ!卑怯者め!
でも、ある意味、斬新?
一連の「集団抗争時代劇」を観て改めて思う。
黒澤明はやっぱスゲーわ。
☆3.0
