殴り込み関東政
劇場公開日:1965年12月18日
解説
「男の紋章 俺は斬る」の甲斐久尊のオリジナル・シナリオを、「賭場の牝猫」の野口晴康が監督した仁侠もの。撮影は、「秩父水滸伝 必殺剣」の中尾利太郎。
1965年製作/86分/日本
配給:日活
劇場公開日:1965年12月18日
ストーリー
津上一家の関東政こと高田城三郎は、関沢一家との縄張り争いの結着をつけるため単身関沢一家に乗り込み、親分の関沢大之助を斬った。それから三年、監獄から出所した城三郎を迎えたのは兄弟分の流れ者花岡長次郎唯一人であった。この三年の間に、津上は流れ者の刺客門馬、長部に殺され、組はバラバラになった上、娘の静江は、大病の母への薬代と、乾分たちを堅気にするための資金をつくるために、芸者に身を落していたのだ。これを知った城三郎は早速料亭春月に静江を訪ねたが静江は今の自分の姿を恥じ、父の形見の手カギを渡してのがれるように、城三郎のもとを去った。静江への自分の愛の弱さを知って苦悩する城三郎は、ふと知り合った流れ者の源太を仲間に、波止場で懸命に働いた。この飯場を支配する神崎組の代貸し清水は、イカサマ賭博で作業員の給金をまきあげ、私腹を肥やす悪党だった。そしてこの神崎組には、城三郎とは幼馴染みの藤田鉄次がいた。ある日城三郎は鉄次に招かれ、鉄次の妹の節子らと楽しい一時を過した。それからまた幾日かたった祭の日、城三郎は人混みに暴走してきた人力車をとめた。乗っていたのはこのあたりの大親分松村であった。松村は城三郎の男意気にほれこみ、波止場人足の仕事を扱う高田組を城三郎にあたえた。城三郎の努力で仕事は順調にのびて彼の乾分もふえた。が、これを面白く思わない清水は、門馬、長部などの刺客を雇って城三郎を殺そうとした。一方の城三郎も、彼をつけ狙う刺客が親分津上を殺した下手人と知り、二人を斬った。そのころ、長次郎はふとしたいさかいで外国水兵を斬ってしまった。追求の手は長次郎をかくまう城三郎にものび、城三郎は憲兵に逮捕された末、むごい拷問をうけた。これを知った静江は、自分を身受けする貴族院議員の大沢にすがって城三郎を釈放してもらった。そのころ清水は神崎を殺害し、親分にとってかわって、組を支配していたが、さらに城三郎殺しを拒んだ鉄次とこれを知り単身殴りこんだ長次郎を殺した。燃える怒りを胸に、城三郎は清水組に一人殴り込み、清水を斬り、彼を慕って追いかける静江の声をふりきって、あてのない旅へとでていくのだった。