若い野ばら
劇場公開日:1965年12月5日
解説
藤田敏雄といずみたくの原案を「散歩する霊柩車」の松木ひろしがシナリオ化、監督昇進第一作目の宮崎守が監督した青春もの。撮影は「残菊物語(1963)」の厚田雄春。
1965年製作/85分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1965年12月5日
ストーリー
成沢美岐の一家は、母にさきだたれ、父重之、長女英子、二女園子の四人家族だ。重之は大の自動車マニアで、退職金を利用して、山奥にドライヴ・インを始める計画を建てていた。ところが適齢期の三人姉妹は、東京を離れるのを嫌がり、この計画に反対した。しかしワンマン重之には抗しきれず、とうとう山奥に引越すことになった。英子は恋人小島俊夫と喫茶店で別れをつげたが、鳥の研究に夢中の俊夫の素気なさに腹をたて喧嘩別れをしてしまった。やがて一家は東京に別れをつげ、未だ建築途中のドライヴ・インに向った。山奥に引越してから数日、遂に待望のドライヴ・インは完成した。開店の初日、三人姉妹は張りつめた思いで客を待ったが、客は仲々現れず、たまに立ちよったサイクリングの一団も、美岐らにカメラのシャッターを押してもらうと店は素通り、あげくに初めての客の学生は、カツ井を食い逃げして、隣りのガソリンスタンドに逃げこんでしまった。このガソリンスタンドを経営するのは主人の佐伯仙造と息子の良男だったが、この事件が縁で、良男と三人姉妹は親しくなり、ある日良男は美枝と園子をドライヴに誘った。ところが、その夜、ドライヴ・インに脱獄囚石丸が舞いこんで来た。だが、三人姉妹の機転と、純真なおもいやりに心うたれた石丸は、かけつけたパトロールに、おとなしく連れられていった。それから数日、山里に嵐がやってきた。人手の少いドライヴ・インはおおあわてだ。そんな時三人姉妹の純な心にふれて改心した石丸が、三人姉妹の身を案じて再び脱走してきた。台風は無事過ぎ去り、美岐一家の無事を見とどけた石丸は刑務所に帰った。やがて英子は俊夫と結婚し、園子は良男と愛を誓いあった。