いろ
劇場公開日:1965年6月13日
解説
「ひも」の成澤昌茂がシナリオを執筆、「孤独の賭け」の村山新治が監督した“夜の青春”シリーズ第二作目。撮影は「にっぽん泥棒物語」の仲沢半次郎。
1965年製作/87分/日本
原題または英題:Night Hunter
配給:東映
劇場公開日:1965年6月13日
ストーリー
グランドバー「テルミー」のバーテン・徹は、先に来て友人を待つ銀行員・明代を巧みに騙して帰らせると、遅れて来た洋裁学院の生徒・カヅ子を口説きおとして、その夜ホテルで一夜を共にした。翌日、徹にあやつられて再度「テルミー」を訪れた明代には薬を使ってベッドに連れこんだ。この夜を境にカヅ子も、明代も徹との結婚生活を夢見るようになった。だが徹には、六年間も同棲生活をする女給・華江がいた。徹にとって、カヅ子も明代もただのゆきずりの女にしかすぎなかったのだ。徹はまず、明代の貯金に眼をつけ、銀行を訪れて、結婚資金と偽り二十五万円を持ち出した。また店の上客・河本からカヅ子の紹介を頼まれた徹は、早速カヅ子のアパートを訪れた。が、そこには思いがけなく上京したばかりの、カヅ子の妹・はつえが居た。はつえは自から徹の腕に抱かれた。そんな時、カヅ子が帰ってきて大混乱。仕方なく徹は、はつえを故郷に帰した。数日後、徹はカヅ子を欺き、河本の居るホテルに送りこんだ。が、これを見ていた地廻りの暴力に徹は、重傷を負った。入院した徹を見舞ったカヅ子は、そこで初めて華江の存在を知った。華江は入院費も出せないカヅ子をなじった。退院後、徹と同棲するようになったカヅ子は、徹のために自ら身体を売った。が、それもつかの間カヅ子は現行犯で刑事に逮捕された。参考人として呼ばれた徹も河本もカヅ子に冷たかった。田舎から再び上京してきたはつえはそんな徹を激しく憎んだ。そしてある日、はつえに呼び出されて店の前にたった徹は、はつえが必死に突きだしたメスに刺され、その場にくずれ落ちた。けたたましいサイレンを後に、釈放されたカヅ子は、ひっそりと闇の中に消えていった。