女が愛して憎むとき

劇場公開日:

解説

「イチかバチか」の菊島隆三のオリジナル・シナリオを、「温泉芸者」の富本壮吉が監督した愛情ドラマ。撮影もコンビの小原譲治。

1963年製作/88分/日本
原題または英題:She Came for Love...
配給:大映
劇場公開日:1963年8月28日

ストーリー

大阪北の新地にあるバー「シャトオ」のマダム生田敏子は、女盛りでありながら浮いた噂もなく、艶麗で客あしらいも巧みだ。大阪一の高級バー「うつみ」のマダム理恵にのれんを分けてもらったのだが、マダム仲間から嫉妬と反感を買うほど店は繁昌していた。口説きたがる客に隙を見せぬ敏子にも、秘密の行動があった。深夜の航空便で東京へ飛び、葉山のホテルで密会を続けていたのだ。相手は尾関といい、外国から一流タレントを招いて興行するプロモーターである。敏子はその現代的な仕事に打ち込む尾関のたくましさに魅せられていたが、仕事オンリーの態度に、ふっと淋しさを感じることもあった。一人で過す休日の味気なさを紛らそうと、敏子が場末の映画館に入ると、意外にもマダム理恵に会った。権勢をはこる「うつぼ」のマダムにも、こんな侘しい女らしさがあったのか。ある日、敏子は刑事たちの調べをうけた。店の洋酒がニセモノだという投書があったのだ。敏子は潔白を証明するため、尾関との情事も告白せねばならなかった。事件はジャーナリズムの好餌となり、客足はみるみる落ちた。一方、尾関も契約したタレントの来日が不能になって莫大な損失を蒙った。敏子が大阪を諦め、東京で開店しようとして用意した三百万の金を預っていた尾関は、せっぱつまってそれに手をつけた。事業にいのちをかける男の立場も判るのだったが、敏子の受けた傷は大きかった。敏子は別離のときが来たのを知った。

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