写真記者物語 瞬間に命を賭けろ
劇場公開日:1963年5月22日
解説
中山善三郎原作“写真記者物語”を「クレージー作戦 先手必勝」の池田一朗が脚色、坪島孝監督第一回作の記者もの。撮影は「太平洋の翼」の鈴木斌。
1963年製作/92分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1963年5月22日
ストーリー
戸川五郎は一枚の写真に命を賭ける写真記者の魅力にひかれ、毎朝新聞社写真部に入社した。彼の家は代々続いている写真館で、父の雄吉、母とめの三人家族である。入社挨拶の途中、火事現場へ行かされ、キャタツを持たされうろうろ、背広を泥ンコにしてさんざんのていだった彼は、この仕事の難しさを痛感した。デスクの中村、松木その他先輩の暖い援護で、失敗を重ねながらも一人前のキャメラマンに成長していった。五郎は松木に誘われ彼の家に遊びに行った時、松木の妻保代が夫の仕事に理解を持っているのをみて、うらやましく思った。ある日、父の留守に五郎が父の替りに見合写真を撮ることになった。お客は小川啓子、代々小川家は五郎の家で見合写真を撮ることになっていた。ファインダーを通した啓子の顔には、見覚えがあった。安保のデモ隊を撮りに行った時、みた女性だ。こんなことから二人の仲は親しくなっていったが、せっかくのデイトも五郎の仕事の都合で破られがちだった。そんな仕事の虫となった五郎と啓子は喧嘩別れしてしまった。しかし彼のことが気にかかり、五郎を可愛がってくれる先輩松木の家を訪ねた。保代の言葉に励まされて、啓子は五郎への愛情を自覚した。やがて台風の季節がやって来た。啓子との結婚を明日にひかえた五郎だったが、松木が取材途中でケガをしたので皆の反対をおし切って現地へ飛び、暴風雨の中から凄い迫力の写真を送ってきた。さらに濁流の中に孤立する民家から子供を救おうと激流を泳ぎ渡り、苦闘のすえ、子供を助けたが、帰還出来なくなった。やっと翌朝、ヘリコプターに救出された。結婚式の当日。一同が気をもんでいるところへパンツ一枚に泥だらけの靴で五郎がすべりこみ、やっと結婚式が挙行された。