柳生武芸帳 片目水月の剣
劇場公開日:1963年5月25日
解説
“柳生武芸帳”シリーズの六作目。五味康祐原作を「夜霧の上州路」の高田宏治が脚色、長谷川安人第一回監督作品。撮影は「旗本退屈男 謎の竜神岬」の松井鴻。
1963年製作/84分/日本
配給:東映
劇場公開日:1963年5月25日
ストーリー
参勤交替の制度が突如布告された頃、江戸城中では九州島津家の光久が大目付役の柳生十兵衛に再び外様大名の取り潰しがないよう約束させ江戸を発ったが、一人不敵に笑う男があった。折あらば幕府転覆を狙う阿蘇の豪族有馬隼人正、またの名を野盗の首領筑紫左源太、疋田陰流の達人だった。左源太は島津、細川、黒田ら外様大名へ「参勤交替は外様を取り潰すための謀略なり」との書状を送り、三藩の江戸家老を阿蘇屋敷へ集結させたが、島津家の席に現れたのは十兵衛だった。反逆露見を怖れた隼人正は他の二人を斬り、十兵衛を逃した。事を急いだ隼人正は柳生屋敷に乱入、武芸帳を奪って阿蘇へとんだ。謀反の連判状とみられる武芸帳の中に記された島津義久の名を楯に、島津家を抱き込もうとする計画を知った十兵衛は、事を未然に防ぐべく阿蘇へ向った。配下の報告で十兵衛が阿蘇路に入ったことを知った隼人正は、野盗の首領に変り草千里での決闘を計画した。そして数日後、草千里へかかった十兵衛は左源太指揮の野盗群の襲撃にあい、豪剣をふるって斬りひらくが深傷をおい山中に逃れた。十兵衛を倒したと信じて勝どきをあげた隼人正は、意気揚々と島津光久に目通りを願った。そして強引に幕府転覆を献策したが、その場に現われた十兵衛の熱弁に光久は隼人正の陰謀を知り、その結着を十兵衛にまかすと約束した。事破れたと知った隼人正は武芸帳を手に逃れようとしたが、その前を十兵衛の豪剣が阻んだ。凄まじい雷鳴と閃光の中に十兵衛と隼人正が対決した。そして、柳生新陰流と疋田陰流の秘術をつくした死斗は、十兵衛の正義の剣に凱歌が上った。