「遺産を巡る人間模様」女系家族 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
遺産を巡る人間模様
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Amazon Prime Video(KADOKAWAチャンネル)で鑑賞。
原作は未読。
大阪船場の老舗の遺産相続を巡り、欲深い三姉妹とその周囲が繰り広げる骨肉の争いを、死んだ主人の愛人が掻き乱す。
山崎豊子原作なだけあり、相続に関する当時の法律に則ったリアルな描写に人間ドラマが上手く絡んで面白かったです。
京マチ子や若尾文子らの美の共演とドロドロの人間模様を繰り広げる演技合戦が見応え充分。都合が悪いと耳が遠くなってしまう(笑)中村雁治郎の演技と存在感も最高でした。
愛人(若尾文子)がいちばんしたたかなことが分かるラストの逆転が、痛快であると同時に虚しさを漂わせるのが絶品。
上手く立ち回ったのに、全て水泡に帰した大番頭(中村雁治郎)の、呆気に取られた表情がこれまた名演でした。
女系家族において死んだ主人は肩身が狭かったと思われ、遺言と愛人を通して復讐を果たしたと云うことかな、と…
立場と家柄に固執していた長女(京マチ子)が、憑き物が落ちたように新たに歩み出すラストシーンが良かったです。
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