彼女に向って突進せよ

劇場公開日:

解説

「ちんじゃらじゃら物語」の若井基成が脚本を執筆、「パラキンと九ちゃん 申し訳ない野郎たち」の市村泰一が監督した青春喜劇。撮影もコンビの小杉正雄。

1963年製作/89分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1963年2月9日

ストーリー

デスクジョッキーの芝木とテストドライバーの風間、下着デザイナーの沢野の三人は三年前に卒業した大学の同級生である。ある日、恩師浦上教授が三十万円の研究費用に難渋していることを聞いた。教授は世界的な頭脳の持主だが生活感覚の方はゼロ。芝木と沢野が教授の家に下宿しているのも、名古屋に勤務する風間が上京の度に泊っていくのも、元はといえば恩師の生活を援けるためであった。一人が十万円ずつ工面することにして別れた三人、散々な目に遇いながらもともかく、合計二十万円をつくることに成功した。三人が再び教授の家に集った夜、教授はひとりの美しい娘を連れて来た。森エミというその娘はブラジルにいる叔父の病気見舞と音楽の勉強のために渡航手続をすませたところ、肝心のビザや旅券を落して困っているという。そよ風のような彼女にすっかりイカレた三人、書類再交付のために走り廻ることになった。芝木は外務省の旅券課長を追い廻し、放送のゲストとして出演させ、旅券の再交付を認めさせた。風間はブラジルの書記官を追ってゴルフ場へ行き、スピード狂の書記官と競争をして勝ちビザの再交付を約束させた。沢野が受持った身体検査の書類だけがさっぱりだったが、エミは叔父が死んだという知らせにブラジル行きを断念し、三人の努力に感謝するのだった。診断書がようやく手に入った夜、エミはやはりブラジルへ行くと言いだした。教授が研究費に困っていることや、三人が集めた金を自分のために使い果したことを知ったからである。行けば叔父の遺産がはいるからと書置きして、エミはひとり羽田を発っていった。このことを知った皆は、あらためてエミの美しい笑顔を想い浮かべるのだった。

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