警視庁物語 謎の赤電話のレビュー・感想・評価
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最も割に合わない犯罪
原版不良でTV放映もDVD化もされていない、児童誘拐事件を取り扱った「警視庁物語 謎の赤電話」が、スキャン技術の向上により、遂に東映チャンネル(CS)で放送されました。東映・警視庁物語シリーズ全24話の脚本は、警視庁鑑識課に勤務していたした長谷川公之のオリジナル。監督の島津昇一は名監督“島津保次郎”のご子息。TV映画監督作品で、波島進主演の「七色仮面」(昭和34年)や「忍者ハットリくん」(昭和41年)が楽しかった。
6年目、第18話となる「警視庁物語 謎の赤電話」は、刑事グループの安定した演技に、誘拐犯を追う執念が良く伝わってくる快作。銀座から新宿までのローケーション撮影に、当時上映中の映画看板や、屋台の「おでんオール十五円」の文字も懐かしい。昭和の映画ならではです。
誘拐事件を取り扱った映画は、黒澤明監督の「天国と地獄」(昭和38年)が有名ですが、「警視庁物語 謎の赤電話」はその1年前、昭和37年公開。
当時、吉展ちゃん誘拐殺人事件など都内を中心に誘拐事件が多発し、映画が昭和39年の刑法一部改正(「身代金目的の略取(無期または3年以上の懲役)」を追加)のきっかけになりました。
誘拐事件は、最も割に合わない犯罪と言われていますが、現在も多く発生しているそうです。
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