東京丸の内

劇場公開日:

解説

京都新聞連載源氏鶏太の原作を、「次郎長社長よさこい道中」の大川久男と「ファンキーハットの快男児 二千万円の腕」の池田雄一が共同で脚色、新人小西道雄が昇進第一回に監督したサラリーマンもの。撮影は「純愛物語 草の実」の林七郎。

1962年製作/78分/日本
配給:東映
劇場公開日:1962年8月29日

ストーリー

第一機械の総務課に勤める高宮曜子は、九の内の舗道で登山服姿の青年に紙包みを押しつけられた。彼は同じ会社の製品企画部員加部一喜と名を告げ、人混みに消えた。同僚弘子の話によれば加部は登山とスキーが好きな山男で、紙包みのワラ靴は好意の山土産らしい。しかし曜子には葉山信夫という恋人があり、信夫の父は東京商事の社長として第一機械の出資者でもあったから曜子はB・G仲間の羨望の的だ。しかし、身分が不釣合いという理由で、信夫の母は二人の結婚を拒絶した。曜子から事情を聞いた加部は、信夫とは大学時代のクラスメートだったので、昼休みのゴルフ場で信夫の真意をただすが、信夫は同伴の第一機械の星山専務の娘睦子と競技に夢中で、誠意を見せようとしない。加部は怒って信夫を殴りつけた。その後、恒例の定期人事異動で加部の北海道転勤が発表された。星山専務の意趣が動いていると、社内では評判だった。曜子は何もいわぬ加部の態度の中に、彼女への思いやりを感じてうれしかった。加部に転勤取消しの電報が届いた。武山財閥の御曹司大造の妹明子の裏面工作が功を奏したのである。大造と加部は山登りの親友で、明子は加部に好意を寄せていた。ある日、大造、明子、加部、曜子の四人は山の旅に出た。武山の別荘で、明子が加部を愛していると宣言したとき、曜子も挑戦をはね返すだけの心の余裕ができていた。東京では、社長の椅子を狙う星山専務が東京商事の葉山社長と結んで、武山財閥から融資を仰ごうと暗躍を始めた。それには睦子と信夫を結婚させなければならぬ。また、明子は加部と曜子の仲を裂こうと図って事件はもつれるが、明子の求愛を斥けた加部は夜のビルの谷間で曜子を抱きしめた。一方、星山は葉山社長から信夫と睦子の縁談を断られ、更に武山からは株主として自ら経営に参加する意向を伝えられ、自分で自分の首をしめた形になった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5☆☆☆★★ 婚約者の居る佐久間良子を追い掛け廻すのが、山男の高倉健...

2017年9月5日
iPhoneアプリから投稿

☆☆☆★★

婚約者の居る佐久間良子を追い掛け廻すのが、山男の高倉健。
婚約者の母親に三宅邦子。
2人を見守る【40代独身課長】に千秋実。
小狡い専務には加藤嘉。
2人が勤める会社の社長には北竜二。
恋のライバルの娘の父親で、大財閥なのが柳永二郎。
高倉健の同僚でコメディーリリーフに谷幹一。

若い2人の恋愛映画であり。
サラリーマンコメディーであり。
サラリーマン哀歌であり。
昭和の風俗映画でもある、古き良き日本映画の良作。

今の若い人が観たら、登場人物達の″その後”をハッキリと描写しない演出は、間違いなく批判されてしまうでしょうね。
そこはそれ、「2人の表情を見て察しろよ!」…と言ったところ。
おそらくはプログラムピクチャーの一本として80分以内に収める為なのでしょう。余分な場面は極力カットして、結末自体を2人の恋愛成就に昇華させる事に主眼を置いている。
一応は、映画としてのハッピーエンドは完成していると思うので、個人的には問題は無い…とは思いましたけどね。
願わくば千秋実の昇進だけは…とは思いますが(´-`)

しかしそれよりもこの作品には、名脇役である出演者達の演技を堪能する面白さも同時に。

三宅邦子の嫌味な演技にニヤニヤし。
小狡い加藤嘉にニヤニヤし。
柳永二郎の貫禄にニヤニヤする。

果たして高倉健は、この佐久間山脈とゆう高き嶺を登頂制覇出来るのであろうか?…って、もうハッピーエンドって書き込んじゃってますけどね(^^)

2人が通うこの会社。どうやらトラクターのデザインや開発らしき事はしている様ですが。一体何をしている会社なのか?とか、一切分からなかったりしますけどσ(^_^;)
そんなこた〜!どうだって良いでしょ〜!…ってくらいに潔い程に、観客の気持ちを2人の恋愛部分に集約させようとするところが、観ていて気持ち良かった。
楽しい時間を満喫しました。

(2017年8月8日 国立近代美術館フィルムセンター大ホール)

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