劇場公開日 1962年8月29日

東京丸の内のレビュー・感想・評価

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3.5☆☆☆★★ 婚約者の居る佐久間良子を追い掛け廻すのが、山男の高倉健...

2017年9月5日
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☆☆☆★★

婚約者の居る佐久間良子を追い掛け廻すのが、山男の高倉健。
婚約者の母親に三宅邦子。
2人を見守る【40代独身課長】に千秋実。
小狡い専務には加藤嘉。
2人が勤める会社の社長には北竜二。
恋のライバルの娘の父親で、大財閥なのが柳永二郎。
高倉健の同僚でコメディーリリーフに谷幹一。

若い2人の恋愛映画であり。
サラリーマンコメディーであり。
サラリーマン哀歌であり。
昭和の風俗映画でもある、古き良き日本映画の良作。

今の若い人が観たら、登場人物達の″その後”をハッキリと描写しない演出は、間違いなく批判されてしまうでしょうね。
そこはそれ、「2人の表情を見て察しろよ!」…と言ったところ。
おそらくはプログラムピクチャーの一本として80分以内に収める為なのでしょう。余分な場面は極力カットして、結末自体を2人の恋愛成就に昇華させる事に主眼を置いている。
一応は、映画としてのハッピーエンドは完成していると思うので、個人的には問題は無い…とは思いましたけどね。
願わくば千秋実の昇進だけは…とは思いますが(´-`)

しかしそれよりもこの作品には、名脇役である出演者達の演技を堪能する面白さも同時に。

三宅邦子の嫌味な演技にニヤニヤし。
小狡い加藤嘉にニヤニヤし。
柳永二郎の貫禄にニヤニヤする。

果たして高倉健は、この佐久間山脈とゆう高き嶺を登頂制覇出来るのであろうか?…って、もうハッピーエンドって書き込んじゃってますけどね(^^)

2人が通うこの会社。どうやらトラクターのデザインや開発らしき事はしている様ですが。一体何をしている会社なのか?とか、一切分からなかったりしますけどσ(^_^;)
そんなこた〜!どうだって良いでしょ〜!…ってくらいに潔い程に、観客の気持ちを2人の恋愛部分に集約させようとするところが、観ていて気持ち良かった。
楽しい時間を満喫しました。

(2017年8月8日 国立近代美術館フィルムセンター大ホール)

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