あべこべ道中
劇場公開日:1962年5月9日
解説
伊勢野重任原作「国士無双」を、「瞼の母(1962)」の加藤泰と映画評論家瓜生忠夫が共同で脚色、「右門捕物帖 卍蜘蛛」の河野寿一が監督した風刺時代劇。撮影は「源氏九郎颯爽記 秘剣揚羽の蝶」の松井鴻。
1962年製作/83分/日本
配給:東映
劇場公開日:1962年5月9日
あらすじ
春もうらら、松並木の街道筋に、領地検分に赴く将軍家指南番伊勢伊勢守の堂々たる行列と、路傍にうずくまる二人の浪人者の姿が、奇しくも武士道の明暗を描いている。羨望の眼差を向けた浪人甲と乙は、伊勢守の高名を無断借用して詐欺行脚を始めようと思い立った。そこで、伊勢守を名乗るにふさわしい人物を探すことになったが、容貌魁偉、傍若無人の若い田舎者が現れた。かくてニセ伊勢守主従が産声をあげた。が、道端に落ちていた財布から仲間割れとなり、二人と袂をわかったニセ伊勢守は、不敵にも各地の道場をめぐり歩いた。道場主は一門の名誉のため、甘んじて“袖の下”を出すのだった。二人の伊勢守の対面は意外にも早く訪れた。それは江戸の土を踏んだニセ伊勢守が軟派侍から武家娘を救ったことがきっかけとなった。その娘が正真正銘の伊勢守の娘八重だったのである。名を騙りながら詑びようともしない厚かましさ。当然、二人の対決となるが、無為無策の無手勝流に、天下の伊勢守無双流は脆くも敗れた。悲壮な決意をかため、伊勢守は老骨に鞭うって武者修行の旅へ。無敵のニセ伊勢守の前に、思いがけない強敵が現れた。伊勢守の娘八重の求愛と、自殺寸前を救ってやった田舎娘お初の慕情がそれである。さしもの無手勝流もオイロケ旋風には歯が立たず、江戸から逃げ出した。土地の親分十兵衛一家の助太刀をしてやったのが縁で、ニセ伊勢守は同家に身をよせた。そこには健康をそこねたお初が療養にきていた。十兵衛の肝煎りで道場を開いたニセ伊勢守の噂を、風の便りに聞いた八重は、江戸から駈けつけた。げに女の執念ほど恐ろしいものはない。一方、野に伏し、山に寝て修行を積んだ伊勢守から、ニセ伊勢守に再度の挑戦状が届いた。場所は双子山の頂き。武士道の名誉を賭けた世紀の決闘は、二人の伊勢守によって始められたが、またしても無手勝流に凱歌があがろうとは……。
スタッフ・キャスト
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贋伊勢守東千代之介
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伊勢伊勢守山形勲
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浪人甲多々良純
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浪人乙本郷秀雄
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八重北原しげみ
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お初北原しげみ
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ばあや吉川雅恵
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老門弟源八郎
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若門弟和崎隆太郎
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ケラの十兵衛山城新伍
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乾分時田一男
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うわばみ弥太五郎加藤浩
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医者五里兵太郎
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赤柿渋右衛門汐路章
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海野月也鈴木金哉
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山坂転太林彰太郎
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羽黒月仙吉田義夫
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軟派侍大泉滉
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無頼漠浜田伸一
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役人A明日香実
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役人B唐沢民賢
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役人C小田真士
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奉行中村竜三郎
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群衆甲大城泰
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群衆乙河村満和
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まるやの亭主有馬宏治
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まるやの内儀鳳衣子
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本陣の娘三原有美子
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岡場所の迫手A木島修次郎
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岡場所の追手B智村清
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取次ぎの侍島田秀雄
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七郎兵衛佐々木松之丞
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瓦版売り波多野博
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役人疋田圀男
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寺の和尚野村鬼笑
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町役若井緑郎
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胆煎り藤川弘
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年寄り熊谷武
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仙人瀬川路三郎
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田舎者A石丸勝也
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田舎者B香住佐久良夫
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田舎者C伊吹幾太郎
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末広の亭主矢奈木邦二郎
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末広の内儀山田光子
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美男の侍坂東京三郎
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角力をとる侍名護屋一