大吉ぼんのう鏡

劇場公開日

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解説

寺内大吉の『はぐれ念仏』から、「黒い傷あとのブルース(1961 小野田嘉幹)」の猪俣勝人と「風雲新撰組」の田辺虎男が共同で脚色、猪俣が監督するおいろけもの。撮影は森隆司郎。

1962年製作/日本
配給:大宝

ストーリー

秋深い武蔵野の一角、名僧の噂高い本来和尚の正念寺にも、せち辛い浮世の風が吹き始めていた。朝の読経が静かに流れる本堂裏手の墓地。そこでは町会のボス草加と技師風の男が、何事かたくらんでいた。墓地の敷地をそっくり近代的体育娯楽センターにしようというのだ。それには檀家に信頼の厚い本来が彼等にとって難物中の難物。草加はまず、宗務庁の部長増田真海や景文などを抱き込んだ。草加の鼻薬に踊らされる二人は墓地払い下げに躍起となった。真海には舞妓上がりの尼僧秀玉に小料理屋を出してやる約束があるからだ。彼は直接正念寺を動かすことのできる管主の地位を得ようとする。一方、こうした色と欲のからんだ悪企みが、正念寺の僧に聞こえぬ筈がない。周囲の人たちにうながされ、本来和尚は何事か決意したようすである。翌日から、三河屋酒店の娘房江の運転するオート三輪にのって活躍する和尚の姿がみられた。彼は先ず宗務庁役僧の買収によって、あっさり真海管主のたくらみをきりくずした。草加らは手をかえ、今度は肉弾攻撃を開始した。いやがるストリッパーを坊主頭のにわか春光尼に仕立て、お色気で和尚をおとそうとするが見事失敗。次は和尚に房江をめあわせて、房江の若さで骨抜きにしようとする。がそれも失敗。第三のお色気戦法、秀玉尼のところへ本来を呼び、濡れ場をカメラでという企みもまたもや失敗。管主の地位をあきらめた真海は、ロボット管主を立てた。ところが管主も本来の正しさを認め、これですべてが終った。その夜のささやかな宴で久しぶりに晴ればれとした本来だった。夜更けて、楊来福と名乗る中国人の修行僧が本来を訪ねて来た。彼はなぜか逢おうとしない。従軍中、中国娘楊麗華を愛して出来た子供が楊来福なのだ。読経を続ける和尚の耳に、井戸端で水をかぶってとなえる楊の念仏がきこえる。明方、気を失っている彼を思わず抱き起こす本来。まだ明けやらぬ町を一人の雲水がいく。何も知らぬ楊来福をのこして旅立つ本来和尚の美しい姿であった。

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